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そのシミュレーションでは、工場のラインに立つ作業員の腰痛度まで試算可能で、それに応じて最適なラインの高さなどを割り出して、リアル工場の調整や次の工場の設計に生かしているとのことでした。
ドイツは国策として第四次産業革命への対応を掲げ、シーメンスやSAPといった会社とデジタル化の流れを加速させようとしています。
このスマート工場は、最終的に中国を顧客と想定しているので、日本には真似のできない美しい戦略だなぁと感じます。
ただ、実態は少しずつ異なっています。
私なりにデジタルツインを3パターンで類型化してみました。
①2D:パラメータをセットした上でシミュレーションし、ビジネスインパクトを試算する
②3D その1:3Dデータをビジュアライズ/シミュレーションする
③3D その2:3D空間を把握して、ロボットの自律的に動かせる
Project “PLATEAU”は②に該当します。
ちなみに、①の例は、FAプロダクツの最適生産投入計画の自動化ソリューション。
https://fa-products.jp/factory/case_study/1918/
③の例は、スマラボ東京
https://smartfactorylabo.com/tokyo/
色んなデジタルツインがあって混乱しますね。。。
https://newspicks.com/news/5902981
こちらは「デジタルツイン」という概念というよりは、3Dデジタルマップの意義や活用の方向性について、より実用的な観点で議論しています。
ビジネス界からもっと人材を入れられないものでしょうか?
ビジネス界で活躍している人たちは多忙だから無理なのでしょうか…。
つまり、単にサイバー空間に現実の物の3Dモデルを作るだけではなく、センサーなどから来るリアルタイムのデータによって随時「最新の状態」の仮想現実があるというわけです。ものだけではなく、プロセス(動態)も仮想化します。
シーメンスやダッソーが進んでいますね。
シンガポールがよく先進事例として紹介されますが、日本では2019年に策定した計画を基に、社会インフラや地盤データなどをまとめた情報プラットフォームとして「国土交通データプラットフォーム」を開発し、2020年に初版をリリースした後、順次連携データを追加しています。自治体レベルでは、主に今年から東京都が都市レベルでのデジタルツインの実現に向けて、先行実施エリア(記事にある西新宿など)におけるデータの集約・3D化・公開を行い、経済的・社会的課題の解決への寄与を目指しています。
何ができるようになるかと言うと、同じデータを見ながら「このような建物を作るとこのエリアの風通しがこれだけ変わる」とか、「このような道路をここに作ってこの道路を変更すると、渋滞が緩和され、同時にここの太陽光パネルの効率が●%アップする」とか複数団体・企業間で話せるようになるから”経済的・社会的課題の解決への寄与”が期待されている、ということです。
ただし、先進事例のシンガポールは当初予定より整備が遅れているので、実際どのようになるかというは主に工場・生産設備レベルでの事例しかなく、都市レベルではある程度想像の域にあります。
ホントっぽい街なかで繰り広げるVRゲームや、デジタルデートでのショッピングなど。
実際の土地空間をコピーしたデジタル空間の知財(土地建物の利用権やショバ代、通行権)、表示(実在のサイネージの書き換え)など権利・制度の問題も生じますね。楽しみ〜
「デジタルツイン」という言葉だけが一人歩きしても困りますが、まずはリアルタイムデータを吸い上げて利活用できる環境整備が必要で、それに向けての議論も進んでいます。
【内閣府 都市再生有識者懇談会 とりまとめ (2021年7月6日公表】
https://www.chisou.go.jp/tiiki/toshisaisei/yuushikisyakondankai/index.html
色んな未来を見たくなります。
物理世界を精密に再現させるシミュレーションは、このデジタルツインの文脈では過剰でしょうが、極端は洞察を促すので考えてみました。
例えば、原子の座標や、核力電磁力のような物理要素を現実世界そのままの密度で再現させるために、行うのは次の5点でしょうか。
①現実世界のそれを把握・収集・シミュレータに入力
②現実世界同様に推移することの検証
③パラメータを変えて未来を表現
④乱数を変えて揺らぎを表現
⑤結果の洞察、コンセプト化
出来れば良いですが、まず①で躓きます。
そうなると、どうすべきかは簡単、現実世界を抽象化、モデリングしてシミュレーションの粒度を荒くします。
この荒くする程度が大切ですが、決める一番の動機は、繰り返しシミュレーションできるスピードだと思います。
スピードの為に精度を犠牲にしますが、精度を犠牲にしても、得られる洞察からのネクストアクションの精度が下がるとは限りません。むしろ、垣間見れる未来のバリエーションを多くする、スピード速くシミュレーションする方が、洞察とネクストアクションが研ぎ澄まされます。
デジタルツインでは、
ネクストアクションを導く分析プロセスを明確にして、求めるシミュレーションスピードを速める(粒度粗く)検討が大切。
交通シミュレーション、需要予測など、いま様々なサービスで欲しい未来予想図のシミュレータは、マクロシミュレータ(相当粒度が粗い)の方ではないでしょうか。
現実世界を抽象化、モデルとパラメータに分解して、素早く色んな未来を垣間見る。そして現実世界でドライブする計画に落とし込み実践、予実乖離を学習しながら、次のシミュレーションへと繋げる。
ICTの醍醐味は、この様なシミュレーション技術と共にあり、DXによる私たちの生活がエコと共に一層豊かになると思います。
シンガポールのバーチャルシンガポールが有名ですが、期待をしたいと思います。