20年度税収は60兆円強、コロナ禍でも過去最高に=政府筋
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過去最高になる見込みというのは意外ですね。
余談ですが、危機時に、当期純損益の額よりもずっと重要なのは、日々の資金繰り。コロナが広がり始めた昨年春より、租税公課や社会保険料は(税率や金額は原則変わりませんが)1年間など納付の猶予が可能となりました。
(休業補償と異なり)納付猶予はPLを改善しませんが、キャッシュフローを改善します。従業員数が多ければ多いほど一度に支払う金額も多くなり短期的な資金繰り負担も大きくなるので、多数の企業にとって有難い施策だったと思います。とはいえ、2020年度に国内総所得が前年度比▲3.9%も減ったのに、税収が増えているということは、逆にコロナショックで経済が厳しかったにもかかわらず、税負担がかなり重かったことを意味します。
経済の正常化を最優先して自然にPB赤字が改善するのは良いことですが、経済の正常化の足を引っ張るような増税によりPB改善を目指すのは本末転倒でしょう。リーマンショック直前の税収に占める消費税の割合は20%程度でしたが、今年度予算に占める割合は35%まで上がっています。今回は「法人、所得、消費税収の基幹3税がそろって想定を上回った」とのことですが「過去最高となった」最大の“功労者”はたぶん「19年10月に引き上げた10%の消費税率が通年で効いた影響」でしょう。昨年度は巨額の財政支出を積み上げていますからこの程度の増収は焼け石に水ですが、リーマンショック直前の2007年度に51兆円あった税収がリーマンショック直後の2009年度に38.7兆円まで落ち込んだ極端な振れを想定しなくて済むのは悪評高い消費税のお陰かもしれません。
右肩上がりの経済成長が望めない中で社会保障費等の固定的な支出を賄う安定的な財源を確保するには、安定的な収入が見込める消費税に頼らざるを得ない側面がありそうです。そしてまた、法人税が自国の企業を狙い撃ちする税であるのに対し、消費税は内外の企業に中立的なので、GDPを生み出す道具である国内企業を育てて国民を豊かにするためにも活用が欠かせません。とかく悪者にされがちな消費税。どう分配するかは別物ですが、危機的な状況下で本来的な役割を果たしたと考えられなくもありません。(^^;