マスク氏のスターリンク、数週内にほぼ全世界でブロードバンド提供へ
コメント
選択しているユーザー
スターリンクについて勉強不足だったので、得られた知見をまとめます。
スターリンクとは
・Elon Mask氏らが手掛ける、大量の人工衛星を利用した通信サービスを提供するプロジェクト
背景
・10年後には、1人あたりの持つIoT機器が2〜3台から1000台になると言われており、ブロードバンド市場の規模が飛躍的に大きくなると予想される。
・従来の通信業界の常識では、地上もしくは海中のケーブルを敷設し、それにより通信サービスを提供していた。そのため、人口の少ない地域では、基地局整備のコストと通信料で採算が取れず、それらの地域の人々は未だにインターネット接続が自由にできていない。(全人口の40%程)
スターリンクの強み
・他社と比較して、人工衛星に関する技術を有しているため、圧倒的なスピードで人工衛星の打ち上げ、通信網の拡大ができる。
・人工衛星によるため、これまで通信網が整っていなかった地域にもインターネット接続を提供することが出来る。それにより、市場の大幅な拡大が見込まれる。
参考
https://sorabatake.jp/19526/
注目のコメント
光害への懸念が解消されぬまま突っ走ることに強い懸念を拭えない。
1年ほど前、世界各地で2等もの明るさになる衛星が観測され懸念の声が上がった。SpaceXは衛星が一般的に肉眼で見えないようにすると約束した。
SpaceXは衛星に「日除け」を付けるとともに、ソフトウェアアップデートによる対策を施した。しかし、衛星の明るさはだいぶ改善したものの、3〜4割の衛星はまだ肉眼で見える。
https://skyandtelescope.org/astronomy-news/starlink-satellites-fainter-but-still-visible/
さらなる対策をとっているとも聞かず、SpaceXはまるで1年前の約束を忘れたようにハイペースの打ち上げを続けた。
IAUは国連へ提訴。根拠は1967年の宇宙条約だけど、当時はまさか民間企業がメガコンステレーションをやるとは考えられていなかったので、正直筋が悪い。
https://www.space.com/astronomers-night-sky-protection-starlink-megaconstellations
一方、アメリカ国内でもNEPA(National Environmental Policy Act)違反の可能性が指摘され、裁判所に提訴された模様。でもNEPAが宇宙空間にも適用されるのか、もちろん判例はなくどうなるかわからない。
https://www.scientificamerican.com/article/spacex-starlink-mega-constellation-faces-fresh-legal-challenge/
つまりメガコンステレーションに有効な規制がない状態ない野放し状態。規制がないときにチッソが水俣湾に水銀を垂れ流していたのと同じ状況。SpaceXとしては規制ができる前にやったもん勝ちということなのでしょう。
僕は、地球の僻地からすらも星空を奪ってまで地球の僻地にブロードバンドを届けることが、人類全体の利益になっているとはどうしても思えません。
星空は人類の共通財産。一企業が勝手に奪っていいものではない。
こちらも参照:
https://note.com/pequod_crews/n/ne45de70291b1新興国を旅すると、ブロードバンドが実質的に来ていない地域がまだまだあるので、一般向け衛星通信でスケールできるならニーズはある。
20年以上前に初代イリジウムが出た時にワクワク&ガッカリした伏線が、こんなところでマスクによって回収されることになるとは。アイデアを思い付くより形にする方が大変だし、スケールさせて事業として軌道に乗せる方が更に大変。まだ軌道に乗るかどうか怪しいけど、見守りたい。