ファンドラップ競争過熱、預金膨張の地銀に攻勢
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ファンドラップ(投資一任)サービスは投資信託と同様に個人向け資産運用サービスであることは間違いないものの、提供し得る付加価値が異なる点が特徴であり、足もと広がっている理由もそこにあります。
資産運用とは本来的に短期のリターンを期待するものではなく、比較的遠い将来のライフプラン上の目標(ゴール)を経済的に達成する手段である一方、その過程で時価が変動するという特徴を持っているため、当初の目標設定や運用手段・商品の選定のみならず、継続的なアフターフォローが機能の一部として本来的に必要になります。
しかし、投資信託という形態では、個々のお客様のライフプランに応じた継続的なアフターフォローを契約約款に盛り込むことは困難であり、単に「●●という投資運用方針に基づいて受益者(お客様)のために投資運用を行ないます」という投資運用付加価値を提供するという役務提供のみに留まるという限界があります。
この点、投資一任スキームであれば、お客様一人ひとりのライフプランに沿ったアフターフォローを継続的に行なうという役務を定めることも可能、即ち、提供する付加価値が投資運用付加価値のみならず、アフターフォロー付加価値も提供できるという大きな特徴があります。
今年1月に改訂された「顧客本位の業務運営の原則」で商品販売後の継続的なアフターフォローの重要性が明記される等、アフターフォローの重要性が改めて注目されるなか、投資一任(ラップ)サービスが広がっている背景はここにあります。
残念ながらこれまでのラップサービスの多くは、「投資信託にはない特別な運用がここにあります」等、投資運用付加価値を強調するものがほとんどでしたが、これからはアフターフォロー付加価値をしっかりと提供するゴールベース型の投資一任サービスが普及していくことを予想しています。
その際、お客様に寄りそって丁寧なアフターフォローをする主体として地域銀行等の地域金融機関の役割は大きく、これからの個人向け資産運用サービスの主役は地域銀行が担うと考えています。
(ご参考)「地域銀行でのラップサービス取扱いについて」
https://twitter.com/kohara1979/status/1410013107603206145?s=20ファンドラップはフィービジネスからアドバイザリービジネスへの転換を実現の方法の一つではあるけれど、単に導入するだけでビジネスモデルを変革できるわけではないと思います。
1番重要なのはアドバイザーの質の確保で、簡単ではないと思います。優秀なアドバイザーを確保できる金融機関とそれ以外に二極化する予想。