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結果、取締役会議長に選任されたのは綱川氏ですが、機関投資家からコーポレート・ガバナンス不全を指摘されている経営者のトップとしての「代表執行役社長 CEO」のほか、取締役会では「取締役会長」の役職も有しています。
東芝のように、「取締役会長」と「取締役会議長」を分離している企業は、「取締役会議長」を社外取締役から選任し、コーポレート・ガバナンス上の所有(株主)と経営(経営者)の分離を図るねらいがありました。取締役は、経営者の監督役として会社(株主)から選任されるものであり、経営機能不全を起こした当事者(または当事者に極めて近い立場)とみなされている同氏が、機関投資家の要望に対し、どのように応えていくかが注目されます。
また、「指名委員会メンバー5人のうちの3人(過半数)が機関投資家との協議を経て、東芝が受け入れたとされる外国籍取締役」であることは極めて大きな意味を持ちます。指名委員会の主な仕事は、次の取締役候補者を選任することであることから、次の取締役会では機関投資家の意を受けた取締役候補が多く選任されることが予想されますが、この候補者選任案を取締役会が拒否することは、会社法の規定上不可能なため、選任案が直接株主総会に諮られます。
その上で株主総会で否決される可能性は残るものの、現状で6~7割程度の株式を所有する外国人投資家(その中で多く株式を所有するのは外国人機関投資家)の多くがこれに反対するとは考え難いことから、(今期ではなく)次期東芝経営体制下で大きな動きが予想される条件がほぼ整ったことになります。
株主総会決議の結果については、賛成した票数など一切記載されていません。選任された取締役でも、賛成票数にかなり差が出たはず。
一般的には、%まで開示しますが、やはり、開示内容は不親切で、東芝らしいです。
http://www.toshiba.co.jp/about/ir/jp/news/20210625_1.pdf
株主総会の質疑応答に関しても、あまり丁寧ではないですね。
開示の姿勢も含めて、波乱な幕開けで、スタンスはあまり変わらないらしいと見ました。
企業は、素晴らしいプロダクトを創り、顧客に支持され、さらにより良いインパクトを世の中に与えていくことが使命です。それなくして、監査もひったくれもありません。
監査する前に、会社の存在意義がありませんから。
ガバナンスがどうだ、過去の責任がどうだということはこれで終わりにして、本業に向き合うためには良い結末だったかもしれません。
外国資本で、外国人の取締役構成で、ほぼ外資系のような形になってますが、案外に日本らしい強さを取り戻すのかもしれません。
東芝の存在意義は、防衛を担うことでも、まして経産省のエゴのために存在するわけでもありません。単にモノづくりに真剣だっただけ。
創業経緯を今一度思い出すのもいいかもしれません。
75歳で東芝の前身起業。東芝の社史に学ぶ。
https://newspicks.com/news/5962913
綱川さんは、議長兼任だが、臨時株主総会で、新体制だろう。
株主が絶大な力を持つと見做されがちな米国ですが、取締役の選解任、具体的な配当額に関する議案は株主提案の対象にならぬそう。一部の株主が株主提案を通じて自らへの利益誘導を図るのを防ぐためでしょう、たぶん。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC2770F0X20C21A5000000/
そしてまた、取締役会が法的に拘束される我が国と違い、米国の株主提案は勧告の意味合いに留まって、可決されてもビジネス上の判断として取締役会が従わないことも多いそう。仮に東芝が将来に資する豊かな技術力と戦略を持つなら、短期的な視点に立つ性急な株主還元やビジネスの切り売りが長期保有を目的とする一般株主その他のステークホルダーの利益に資するとは限りません。
指名委員会メンバー5人のうち3人がアクティビストの息のかかった人物となると、アクティビストが人事を通じて自らの固有の利益に資する人物を選ぶといったことも起こりそう。それはそれで、コーポレートガバナンスの上で問題じゃないのかな (・・?
日本の今の規制は世界の標準として本当に妥当なものなのか。アクティビストと取締役会、ひいては会社と他の株主を含むステークホルダーの利益との関係について、制度の在り方を含め冷静に見つめ直す必要性を感じないでもないけれど・・・ (・・;ウーン
オルコット氏の辞退は、現在のリスクを象徴しているとも思う。新任候補で、元々取締役候補となることを辞退することもできたが総会通知発送時点では受任している。一方でその後の調査報告書や今回の株主総会を巡る混乱で、取締役となるリスクを判断した個人の意思決定のように見える。つまり、東芝の社外取締役を受ける人がどれくらいいるのか、という今後のリスクも示唆。
そのなかで指名委員会委員長にファラロン出身のゼイジ氏が就任。ゼイジ氏は2018年8月までファラロンのCEO(現在も非常勤顧問)。ファラロンは2017年11月の第三者割り当てにも参加しているファンド(株主名としてはチヌーク)で、2021年3月末時点では東芝の3.38%を保有、また東芝に対しても各種の提案・発信を行っている。
ゼイジ氏は2019年から東芝の社外取締役に就任、ただこれまで各種委員会の委員とはなっていなかった。株主である社外取締役が指名委員会(取締役候補を決定する委員会)に就任するということで、株主ガバナンスの強化につながる体制となる。元々は永山氏が就任する予定だったポジションだったが、大きな変化だと思う。
綱川氏については、あくまで暫定での就任。ただ、綱川氏は社長兼CEOということで社内で、取締役会としての独立性を考えると、取締役会議長となる社外取締役の早期の選任が待ち望まれる。
招集通知を送付後に今回のゴタゴタがあったので、自身の経歴に傷を付けたくなかったんだろうな。
>オルコット氏は取締役辞任