日本の自動車産業に「LCA」の圧力 脱炭素へ物流も製造も総力戦
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自動車製造のLCAに関する自社以外からの間接CO2排出量が大きい、scope2の①製造時の国内火力発電比率の高さと、scope3の②物流(海運)と③素材(Al製錬)の3つを取り上げてます。全体像が掴みにくいかも。
①の国内火力比率の高さは、自工会会長が危機感を表明しましたが、各企業の努力で再エネを調達するしか無さそうな日本の状況。製造業の空洞化は今に始まったことでは無いですが、国がメーカーを再エネ調達で支援する動きは寡聞にして知りませんので、実は雇用も含めて大きな問題です。
つまり経済合理性を考えれば、ものづくりはこれから、再エネ立地&安全保障に適した国で行うことになりかねません。
なので②や③の問題は、①が解決して国内での製造が継続することが前提。そもそも②は海運会社、③は素材メーカーの問題です。これらが自動車メーカーにカウントされるscope3と呼ばれるもので、他にも資本材や静脈の物流といった製造活動の全般で、活動量×排出係数で算出されるCO2排出量を足し合わせます。
逆に言えば、最終製品を国内で作らなくなると、素材の調達や製品輸出といったCO2排出量の大きい活動も一切不要になり、LCAとしては外国の電源インフラや外資系サービスから最も効率の良いところを選べば良いということに。
すなわち本質的な論点は「それでよいの?日本!」しかし、メディア等でも議論されているように見えません。
比較的小さい半導体やデバイスを作るだけなら、日本の電源構成も民間の自助努力に任せてもどうにかなるでしょうが、今後も最終製品を作って輸出していくのであれば、ある種の計画経済的なインフラ投資は国がすべきだと思います。
ある意味LCAや46%はどうでもよい。目標や結果でしかないから。日本の最終製品メーカーが、LCAのルールでカーボンニュートラル競争をする際に、生産段階の下部構造であるインフラの問題が話し合われていないことが不思議でなりません。
ここは環境省よりもMETIの本分で、かつ喫緊の問題です。46%は達成出来なくても、将来の電源インフラを描いて整備していくことは不可避。