ワクチン接種で大活躍 新潟の中小企業が国難を救えた理由
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年商120億円の東証2部(元 新潟証取上場)企業を「中小企業」と呼ぶのは違和感が・・・・・・(常時雇用している従業員の数が300名以下であれば中小企業とみなされるので、該当しないわけではないが)。
※「規模は大きくないが、再編統合を進めると良さが失われる企業の特集」で、中堅企業(ツインバード工業とか)も含まれるのに、「中小企業をなめるな~」と企画のスケール感が小さく感じられるのが、失敗な気もしつつ。
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これだけだと難なので、ツインバード工業のHPや有価証券報告書、2021年版中小企業白書などを併せて斜め読みした感想を。
・なんだかんだ言って、イノベーションするにしてもそれなりの規模が必要では?
ツインバードが2021年2月期に研究開発に投じた資金は5.4億円(うちFPSC向けが0.62億円)。売上高に占める研究費の割合は4.3%と、大企業の製造業(5.1%)ほどではないとはいえ、それなりに投じている。また、従業員の約2割(60人ぐらい)が研究開発に従事。
→中小企業の製造業だと、研究費割合が0.8%で、ここ数年ほぼ横ばい。また、従業員五人未満、20人未満あたりで研究開発の姿勢(研究開発実施の有無、研究開発資金の確保状況など)に大きな壁があり、全体を俯瞰して言うなれば「規模が小さすぎてイノベーションを起こせない企業が少なくない」とみることができる。
・ツインバードが大量受注をこなせた訳
→有価証券報告書を読むと、「燕三条地域を中心に地元企業と協業し~」とあり、この点では恐らく「中小企業をなめるな」とはいえるのでは(字数の関係か、本稿では取り上げられてないが)。
・結論は?
→ツインバードの強みを考えるに、「規模が小さいゆえの小回りの良さ」という雑な話ではなく、(会社の規模は踏まえつつも)自社の立ち位置はどこにあるのか、立ち位置を強化するための施策は何か、と言う点を突き詰めていることではないか。
→具体的には、商圏サイズなどの面で大手にはできない商品開発とそれを支える研究開発力、地場ではトップ級のものづくり企業という立場を生かしたネットワークといったところか。
→あと、同社が同族企業(一族合わせて18%保有)で、外部の雑音をある程度無視できたのも、ここに来て大きな成果が挙げられた要因ではないか。
注目のコメント
物凄く示唆に富む素晴らしい記事。株主資本主義×グローバリズム、つまり竹中平蔵やアトキンソンらが進めている政策から、中小企業を、日本を本気で守らなければならない。こんなに素晴らしい技術を持つ中小企業が、大企業や海外企業のいち部門に成り下がってしまう。ちなみに、「技術」を「教養」に、「中小企業」を「未熟な若者」などに置き換えて読んでみると、これまた示唆に富んで読める。
共感
→「なぜそんなマイナーな技術を、大企業ならまだしも地方の中小企業が保有していたのか」と思う人もいるに違いない。だがそれは発想が逆で、ツインバードは中小企業だからこそ、“いつ花を咲かせるか分からない技術”を温め続けてこられた可能性が高い。海のものとも山のものとも知れないが、いずれ大化けするかもしれない技術が重要なのだ。独自性がない製造業に未来は無い。ツインバードさんの取り上げられたこちらの記事。地域の中小企業の可能性を示唆してくれてますね。こんな企業のイノベーションに、もっと貢献していきたいなぁ。
「ツインバードは中小企業だからこそ、“いつ花を咲かせるか分からない技術”を温め続けてこられた可能性が高い。」
こういったことを大切にできる経営者が各地にきっといて、そんな方と出会えるのも楽しみ。ツインバードが日本の、しかも中小企業だとは知らなかった…。そして、こんな素晴らしい技術を持っていることも。
中小企業が国にとって必要か不要かなんて議論がまったく無価値であることを体現しているような事例。