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イランにおいて大統領とは何かというと、行政の長ではあるはずですが、その権限は非常に限られています。
 まず、最高指導者という三権を超越した存在がいて、初代はホメイニー、現在はハメネイです。その最高指導者を選出する専門家会議、それに三権を指導する監督者評議会があり、それらの職はイスラーム法学者が占めることになっています。イランの「イスラーム共和制」が「イスラーム法学者の統治」と称される所以です。
 大統領選挙に立候補できるかどうかは、監督者評議会に資格審査されます。大統領に選出されても、最高指導者は常に超越した権限を持っているので、大統領はあくまでその下です。イランでは、大統領直接選挙があるといっても、そのように制限された大統領しか選べない、といえます。したがって、有権者は選挙というものに期待しなくなっている、という現状があります。

それでは、イランというのは最高指導者が独裁している国かというと、だいぶん違います。大日本帝国憲法で天皇には絶大な権限があってもいちいち行政を独裁していなかったのと同じように、最高指導者もいちいち三権を指導はしません。むしろ、政治的なバランスをとる要の役割を持っています。
 ナチスの政権なども親衛隊が当初の役割を越えて国家全体に肥大化していきましたが、今のイランで最も実質的な権力を持っているのは革命防衛隊でしょう。イスラーム法学者たちも、教育や司法、経済などで広く権限を与えられていますが、革命防衛隊の膨大な企業群に比べれば小さなものです。革命防衛隊の実質的権力は、軍事だけではなく、外交も含めた広い範囲に及びます。
 いずれにしろ、イランの国民が選挙によってできることはイスラーム共和制ができた当初から非常に限られています。イランは30年以上袋小路に入ってしまっているといえますが、選挙もあまり意味が無いので、そういう時の打開方法がありません。
唯一注目された投票率は、これまでの70-80%を大きく下回る48.8%(報道ベース)と低調だった。基本的に大統領が誰になろうと、最高宗教指導者のハメネイ師が顕在の間は、なんとかイランの体制は守られる可能性が高いだろう。しかし、ハメネイ師も既に相当な高齢。イランにとっての最大のリスクは、アフター・ハメネイ師の時代に幕開けするだろう。
イラン大統領選で、イスラム法学者で保守強硬派のエブラヒム・ライシ司法長官が初当選。
8年続いた保守穏健派のロハニ政権は米国に対して融和的だったが、新政権では外交方針が大きく転換する可能性があります。
なんとなく、ずっと反米のイメージがありますが、民主的なイメージもあります。民主的な反米国家、独裁の親米国家、中東は難しいですね。