三菱HCキャピタル、海上コンテナリース買収 1200億円
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海上コンテナは,大体半数が海運会社保有,残りがリース会社保有になっています.コンテナリース会社もM&Aが続き,寡占化が進んでおり,上位7社で9割のシェアを占めています.三菱HCリースも業界6位のBeaconを子会社に持っており,CAI買収で業界4位,シェア14%になります.業界トップのTritonはともかく,2,3位のFlorensやTextainerとはほぼ同じ規模です.
コンテナ輸送に混乱の続く中,新造価格やリース価格も上昇しているため,「いける」と踏んだのでしょう.今のうちにリース案件をできるだけ長めに固めておくことができれば…という思惑もあるとも思います.オペレーティング・リースというよりファイナンス・リースでの貸し出しになってきているのではないかという,EFインターナショナルの中尾さんの見解を引用します.
【以下引用】
船会社は(中略)中国・アジアからの輸出が旺盛で、中国・アジア側での慢性的なコンテナ不足により船会社は引き続きリース会社の新造コンテナを必要としています。一方、コンテナリース条件は通常の5年長期リースが10年以上と長くなっているようです。(中略)サプライチェーンによるコンテナの偏在を考えた時、10年以上の長期リースのリース料金の低下は魅力が出てきます。その上、リース会社は5年リースする船会社より10年リースする船会社に対して優先権を与えます。2020年後半から今年に入り船会社は10年以上の長期リースでリース会社からコンテナを確保したのではないでしょうか。このことは今までのオペレーション・リース会社からファイナンス・リース会社に彼らの性格を変えたと言えるかもしれません。
【以上引用】
コンテナリース市場の状況についてさっと知るためには,EFインターナショナルのサイト(https://www.ef-international.com/category/container-market-report)のほか,世界最大のコンテナリース会社であるTextainerのIRプレゼンテーション(https://www.tritoninternational.com/sites/triton-corp/files/Presentations/investor-presentation-may-2021.pdf)を見ることを勧めています.