【山形浩生】あなたは、“本当に”資本主義を理解しているか
コメント
注目のコメント
文中の「「r>g」は“理論”ではなく“事実”であることを浮き彫りにしました」の表現が興味深いですね。
これの表現には、経済学では理論が飛躍しすぎて、必ずしも事実に即さないことが往々にしてあることを含んでいると思います。ベストセラーであるトマ・ピケティ著『21世紀の資本』を筆頭に、数ある経済専門書を翻訳してきた翻訳家/評論家の山形浩生さんに「資本主義ってなに?」をぶつけてきました。
資本主義という世界のなかで生きていながら、その実それがなにかをあまりわからず生きていた自分ですが、山形さんへの取材を通してその一端が垣間見れたかなと思っています。
資本主義ときくと「格差」「人権問題」「環境問題」など、少なからずネガティブな影響を受けますが、ベースを理解すれば、構造のポジティブな面とネガティブな面の両方から議論ができます。その一助になると幸いです。山形さん今度某所でお会いすることになっているのですが、お顔を初めて拝見しました。
ピケティの世界全体で逃げ場なく累進課税するには、課税権という国家の主権を侵食する必要があるので、結局権力闘争だよなと思ったり。
サンデルの新著にもありますが、能力と成功は相関もないですし、能力主義は人種性別の平等を推し進める功績はあったものの、結局社会の流動性を高めることはできず、運でしかない勝者を称賛し敗者を侮辱するレトリックを正当化するという弊害が拡大しています。
斎藤さんの「脱成長コミュニズム」など、資本主義の弊害への処方箋がさまざま提案されていますが、何が良いかというより、結局大多数が共感するレトリックが最終的な社会のルールを作っていくので、それがなんなのかを最初に探し当てた人が勝つんでしょうね。
そして、他の人よりも「勝つ」ことを目的に投資を勧めても社会的な解決にはならない。