世界のGEが40億ドル投資したDX化が失敗、CEO直下のプロジェクトがぶつかった壁 - News&Analysis
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ダイヤモンドオンラインにて私の『いまこそ知りたいDX戦略』から
書籍抜粋記事を掲載していただきました。
世界的なメーカーであるGE(米ゼネラルエレクトリック)が、CEO直下DXプロジェクトでも失敗した事例から学べることはたくさんあるので、DX推進したいと考えている人は是非、読んでいただきたいです。偶然昨夜友人から某外資系ソフトウェアメーカーのDXの依頼が来たんですけど、明らかに失敗する体制だったのでお断りしました。外部からポッと出の人が行って解決出来る程甘く無いと思います。特に営業部門との連携や権限委譲が重要だと思っていたのでこの記事は納得感があります。DXを簡単に考えている人が多過ぎです。サイトやシステム作っただけじゃ何も変わりませんから。運用まで設計してナンボです。日本のシステムは作り逃げみたいなのが多いので、日本の組織はこういうのをやるのには向いて無さそうですね。
Predixの失敗分析は日本語で中々見当たらないので助かります。有料記事部分に成功事例が載ってますが、石角さんの分析から更に失敗原因を推測してみると、バラつきを管理する対象の複雑さとその習熟度といったことも有るかなと思いました。
GEはハードウェアという部品の組み合わせと暗黙の境界条件が有りますが、成功事例はそのハードウェアを組み合わせたシステムとしての全体管理が必要な対象と言えそう。
当然システムも各部品や部分から構成されますが、全体としてのパフォーマンスが肝要で、部品の故障や交換だけでは済まない交互作用も管理せざるを得ないと思いますが、ここに科学的な管理手法が定着していなかったのではないか。即ち現場の暗黙知で管理していたので新しい管理方法は導入メリットが有り、反発する古株社員も殆ど居なかったという推測が出来そうです。
特にGEですとシックスシグマのような統計的品質管理手法が連綿と続く企業文化も有り、その手法の共通部分をOSとして切り出すのは正規分布を当て嵌めるような無茶な要求になってしまっていたのではないか。科学的管理と言われるものは近似を使いこなすことと言っても良いでしょうから、その近似の根拠となる理論の共通部分に再現性を求めるには、科学者が必要でかつ異分野を貫く学際性も求められるでしょう。
横の連携はDXでも良く言及される観点ですが、GEのPredixの場合には更に縦方向の深さが共通OSに求められる難しい分野だったのではないか。なら浅いところで共通化を目指せる分野にピボットすることも必要になるが、今まで最適化されていた横の境界でのパフォーマンスを達成出来なくなることも有るということですかね。
全体のパフォーマンスが向上する、境界が曖昧な分野でDXを試みることが、成功に近いのかもしれません。また今まで管理手法が無い組織かという観点も有り、DXとは言われないですがワークマンは最たる例でしょう。