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NewsPicks編集部のオリジナルニュース連載。いま知りたい注目ニュースを、わかりやすい解説や当事者インタビューなどでお届けする。
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消費者向け総合家電・メディア企業。テレビ・デジタルカメラ・スマートフォン・ゲーム機(プレイステーション)などデジタル家電、映画・テレビ番組・音楽などコンテンツ、世界トップシェアのイメージセンサーなどを手掛ける。事業ポートフォリオ再編を進め、2020年8月には上場子会社で生命保険などを手掛けるソニーフィナンシャルHDを完全子会社化。
時価総額
16.3 兆円
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https://www.meti.go.jp/press/2021/06/20210604008/20210603008-4.pdf
この手の資料「あるある」ですが、ボリューム満点で、全てを細かく読めば30分近くかかるでしょう笑
とはいえ、前半部分を中心に、日本の半導体業界の凋落原因や課題について、分かりやすくまとめられています。政府のレポートは元々、データの充実ぶりなど「資料性が高い」ものですが、今回のレポートは整理という意味でも分かりやすいです。
さてさて、
今回登場するロジック半導体。日本で今から育成するのであれば、最短で10年、おそらくは20年以上先を見据えて取り組む必要があります。
その一因は、逆転どころかキャッチアップも不可能と思えるほど、TSMCを擁する台湾を筆頭に、韓国や米国との差があります。現状では中国よりも遅れています。
そこで、今回は割愛した「ポスト・ムーア」時代における半導体の「後工程」(https://newspicks.com/news/5877846)も視野に入れながら、10年に一回起こるかどうかのテクノロジーのゲームチェンジをとらまえ、一歩ずつ地位を高めていくしかありません。ですので、20年はかかるであろう息の長い取り組みになります。この戦略に携わるのであれば、「せいぜい後世から評価されればよい」くらいの覚悟が必要だと思います。
その点、ソニーの主力製品であるイメージセンサーという半導体は、20年以上かけた息の長い取り組みによって花を咲かせてきました。
「イノベーションのジレンマ」を克服して、CCDという旧方式からCMOSという今主流のタイプへとシフトしてきました。なおかつ、近年は、日本の総合企業が苦手としてきた投資競争でもひるまずに戦い続け、金額ベースで世界シェア5割という地位を築きました。
こうした経営面で実績がある点にも、実はソニーに期待しています。
ちなみに、某日本企業では「士・農・工・商・半導体」という言葉がある(あった?)とか。稼ぐときは当たり前のように言われ、損が出るとめちゃめちゃ責められ社内の地位は低いままだと元副社長さんが嘆いていました。
日本では天下のソニー様様ですが、確かに記事にあるミドルエンドくらいはあり得ても、昨今世間で騒がしい日本半導体産業の復権、の文脈で想起するそれは、相当な狂気を持ち合わせた1人の事業家でも突如降臨しない限りは、既存覇者達は何世代も先を行っておりまた資金力も日本ではトップクラスとて世界とは一桁違う事から、想定しがたいと考えます。
ただ、ロジック=論理計算なので、それだけではなく、車載での制御に使われる様々な半導体などもある。これらは用途ごとに細分化されていたり、あとは進化も計算力をものすごく求められなかったりで、代表格のものより古い製造技術を使われることが多い。例えばグローバルに足りなくなっている車載半導体もそういうものが大部分で、古い技術だから装置の償却が終わっていて安価に製品提供でき、一方で増産をしようとすると最先端ではないゆえに手に入りにくいといったジレンマもある。
下記をみると、日本の集積回路の輸入額は2020年暦年で約2.0兆円。半導体には様々な種類があるし、それごとにノウハウなどもある。ロジックを強化したほうがいいというのは一般論としては分かるもので、肌感覚として報道があった1兆円投資というのは最先端で競争力をつけていくには少ない、というのはTSMCは3年間で10兆円といった規模だし、Samsungもロジックで2030年までに16兆円投資の計画。一方、非最先端ラインだとすればかなりの金額という印象だが、それだけの装置をどうやって調達したり、輸出による顧客獲得も必要となってくるのではないか。そしてそれだとメインは車載になるように思い、トヨタやルネサスなどがソニーよりコアで議論に出てくる相手なのではないかと思う。
https://www.jeita.or.jp/japanese/stat/electronic/2020/import_12.html
ただ、まだ日本が世界最先端と呼べる半導体関連業界(ウエハ、サブストレート、等)を下支え・底上げするには、やはり本丸のファブがあるのとないのでは大きく違う。エコシステム全体を考えた投資は一企業の手に余るので、政府がサポートするのは良い流れかもしれない。
・士農工商半導体について
様々なところで語られるが、セットメーカーの中で投資している半導体事業が多かったので、このように言われることが多かったようだ。この時点で構造的に潜在的な失敗の要因になってしまっているが。
https://news.mynavi.jp/article/amd_final-6/
https://www.sangyo-times.jp/article.aspx?ID=5319
・ソニーのPS3向けセルでは東芝も巻き込んだ大規模な投資失敗案件になってしまった。セルが目指していた地平というところにソニーがたどり着いていれば、と思わずにはいられないが。
デジタル家電等の機能差別化のために、製品のライフサイクルに合わせて専用LSI(ASIC)を開発していましたが、自社製品にしか使用されず販売数量が限られるため、開発費の回収ができたとしても、次世代に向けての投資費用を稼ぐことができなかったと理解しています。
現状はこういったASICビジネスは廃れ、ASSP(特定用途向け半導体)に移行しており、例えばTV向けチップであればメディアテックのチップが各社のTV向けに供給されているという認識です。
この背景にはTVもAndroid TVでOSが共通化され、LSIチップよりもソフトウェアによる差別化が重要になったからでしょう。(ガラケーからスマートフォンへの移行でも同じことが起きていますね)
ASSPの場合(国内各社が手掛けていた自社向けASICと比較して)数量が期待でき、開発費の回収に加えてより高い収益が見込めるはずで、日本のロジック復権に向けて、強いASSPを作れるメーカー(ファブレス)が生まれることを期待したいです!
https://newspicks.com/news/5933203
「日経の飛ばし記事のソースはTSMCではなくサプライヤー幹部」
https://twitter.com/TAKESHIxHATTOR1/status/1404415512637952003?s=19
なので、ゴールドラッシュの時の金言で、「儲けたのはバケツとスコップを売った人」といったものがありましたが、そういう方向性か、とも。
衆議院 2021年06月01日 科学技術特別委員会 #04 湯之上隆(参考人 微細加工研究所所長)
https://www.youtube.com/watch?v=iCbyGzxFPWE