FRBのインフレ予想が外れたら?
この記事は有料会員限定の記事となります
無料トライアルに申し込む
コメント
注目のコメント
日本の例を逆にしてみれば明らかなように、中央銀行が本当に止めなければならないのは、インフレが「自律的」に加速する事態です。典型的にはスパイラル的なインフレ上昇ですが、上昇率がそう高くなくても、いわば「生き物のように」動き出したら注意が必要です。
そうした状況がなぜ生ずるかと言えば、家計や企業の行動がインフレを前提としたものに変わるからです。家計は、先行きの価格上昇を予想して、耐久財や住宅の購入を前倒しするでしょうし、企業も投入価格の上昇に伴うマージン圧縮を回避するため販売価格を引き上げたり、意図的に供給を絞ったりすることが想定されます。そうなれば、因果関係がチェーンのように繋がって、物価は自律的に上昇します。
その意味で、家計や企業が今後の物価上昇をどう考えているかは、政策運営の上で重要な判断材料となります。
ただし、そのために活用される多くのサーベイの質問が、単に「今後の物価は上がると思いますか?」という内容になっていることには問題も残ります。より適切な質問は、「今後の物価上昇に備えて、具体的な対応を講じますか?それはなんですか?」というものであるべきです。