デカセギからRIZINへ~サトシとクレベル、日系ブラジル人とボンサイ柔術と日本の絆
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久しぶりに記事を読みながら胸が熱くなりました。この記事には単に柔術家のことが書かれているわけではなく、出稼ぎ労働者としてブラジルからやってきた彼らがいかにして世界中の格闘ファンを唸らすほどの格闘家になったのか、彼らの軌跡が日本とブラジルの社会背景と併せて語られており、格闘技専門誌だけに留めておくのはもったいない本当に素晴らしい記事でした。私のように海外在住の日本人にとっても、異国で生活する外国人にとって勇気をもらえる力強いメッセージです。
記事にもあるように、ブラジル人や外国人労働者の多くは短期契約の非正規雇用であるため、景気や企業の業績が悪化するとまず最初に痛手を負う立場にあります。いわば、「ニッケイジンを利用するだけ利用して、都合が悪くなると国へ帰れという」のが日本政府、多くの日本企業の基本的な姿勢です。
そんな中で、この記事の主人公である日系3世のホベルト・サトシ・ソウザとクレベル・コイケは尋常ではない努力と強い思いで世界の舞台にのし上がりましたが、格闘技の世界以外でも苦境を乗り越えて日本の弁護士や建築士の資格を取得したり、ビジネスで成功する日系ブラジル人の方々が徐々に出て来ている時代になっているのが現実です。
日本国内だけで在留外国人の方は300万人近くいると言われています。それだけ多くの価値観やライフスタイルがあるにもかかわらず、それを生かそうともせず、伸ばそうともせず、平準化することに重きを置いていること自体、本当に勿体ないとしか思えません。わざわざ海外に出て行かなくても、国内に住む友人に思わぬヒントが隠されていることはたくさんあるはずです。
記事の中で格闘家のクレベル・コイケが端的にそれを言ってくれています。
「日本人と違うところがある。私とあなたは違う。でもその違いがあることを認めることが大事。それが……ディベルシダージ(多様性)だし、その力を育むのが格闘技だ。それを通して、僕は共通の言語、柔術でみんなと会話できる」
元来日本の文化は引き算が得意な文化だと言われますしそれはそれで素晴らしいですが、部分部分でそろそろ足し算的な考え方もしていかないと本当に世界から取り残されてしまうと、世界有数のダイバーシティを持つ国であるブラジルに住む私は強く思います。二人ともカタコトながら日本語でインタビューに答えたりするところはとても好感が持てますね。
20年ほど前に、ノゲイラが卓越した柔術技術をもとにMMAに参入しストライカーのミルコを逆転で下し、でもそこにヒョードルが現れ、、、という時代を思い出します。ホベルト・サトシ・ソウザ選手の試合もクレベル・コイケ選手の試合も、そして試合後のマイクも、インタビューも全て素敵でした。まわりへの感謝と仲間への愛と、相手選手への敬意に溢れた言葉の一つ一つが素敵でした。この記事も、彼らのバックボーンを掘り下げた読み応えのある素敵な記事でした。こんな記事ならnoteとかで有料でも購読したいです。
両選手の今後のご活躍も期待していますし、残念ながら敗れた相手選手(実は朝倉選手応援していました…)の復活も期待したいです。
願わくばRIZINさんのストリーミングの安定化も期待しています…せっかくの良コンテンツだと思うので。
そして、暗いニュースやバッシングだけのニュースが溢れる中、画面に夢中にさせてくれた出場選手皆さんと、大会を届けてくださった関係者皆様に感謝致します。
とりあえず、ミーハーなのでボンサイ柔術グッズ見つけたら購入致します…