東芝、量子暗号で通信距離600キロ 世界最長級
日本経済新聞
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東芝は高い機密性を持つ量子暗号通信にて、世界最長級の通信距離600キロメートルを実証したと発表したとのこと。
通信の防御には2つのアプローチがあります。1つは攻撃に耐えること、もう1つは攻撃に気づくことです。
今までの暗号化は「耐える」アプローチで、スパコンでも解けないほど解読に計算時間がかかることで安全性を担保していました。しかし昨今の量子コンピューターはスパコンの数億倍の速度があるため容易に解いてしまいます。このようなことになると暗号化された国の軍事機密など筒抜け同然です。
この量子コンピューターという「矛」があまりに強力で既存の暗号技術の「盾」では対処できません。それなら攻撃の瞬間を察知して矛先を見切ればいいじゃないか、というのが「気づく」アプローチになります。
量子状態とは非常に敏感なセンサーのようなもので、通信中のデータを攻撃者が見ようとするとその瞬間にアラートが出されすぐに新しい暗号化がされます。
量子状態であれば理論上はこのデータの送り主と届け先がどんなに離れていてもこのアラートが出るのですが、様々な技術的要因でアラート可能な距離には制限が出てしまいます。今回の「600キロ」とはこの距離に相当します。
米中はじめ量子分野は盛んに研究されていますが、東芝は量子技術において続々と世界トップレベルの研究発表をしており期待大です。