対面授業なしは「義務不履行」 学生が明星大を提訴へ
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この学生の不満は「対面授業なし」にあるのではなく、「オンライン授業の質が低いこと」と「同級生との触れ合いの機会が与えられないこと」にあるように思います。
私自身、昨年度コロナ禍で完全オンライン講義になってしまった社会人大学院に通ってましたが、オンラインだと対面以上に講師の力量や事前準備の差が際立つように感じました。いつまで経ってもZoomの操作に慣れずに時間を無駄にする教授もいれば、録画であっても事後アンケート&フィードバックを駆使して対面以上の学びの場を提供して下さった教授もいたり。同級生との触れ合いという点でも、グループワークの課題が出た講義では何度もZoom会議を行うことで、雑談を含む対話の機会は十分に得られました(その教授があえて例年は無かったグループワークの課題を作ったようです)。
いずれにせよ、大学や先生方が、学生たちに学びの機会を与えるために出来ることをどれだけ真剣に考えて実行するかが問われているだと思います。コロナ禍だからとかオンラインだからとかに限った話ではないですが。
注目のコメント
「なぜ丁寧な説明もなくオンライン授業を続けるのか」という指摘が重要なところと思います。
オンラインにせざるを得ないことが、大学や教員にとっても、苦渋の決断であることは間違いありません。
少なくとも私の所属している部署では、身体の安全と教育効果の最善のバランスは何かということが、オンラインの会議で何時間も話し合われていました。
でも、そうした過程は学生に伝わっていない。
大学から学生に向けて出される通知は、書面一枚であったり、ウェブサイト上からの一方的な通知。
「なぜこんな大事なことを、紙ぺら1枚で言ってくるんだ」と感じる学生の気持ちは痛いほどわかります。
私が学生なら間違いなくそう感じるでしょう。
大学の意思決定に際して、学生との双方向的な対話があれば、また違ったのかもしれません。
大学は教員と経営側だけのものではない、ということを改めて認識する必要があるように思います。米国でも対面授業が受けられなかった大学生が学費の返還を求める訴訟が300件以上起きましたが、報道によればその多くは却下されたとのこと。一方、お隣の韓国では一部で学費が返還されているようです。https://mainichi.jp/articles/20201203/k00/00m/040/105000c
この1年、日本でキャンパスにほとんど行くことができなかった大学生やオンライン授業でコロナ前よりも負担が大きくなった教員を取材しましたが、どちらの立場もよくわかります。難しい問題だと思います。当該学生の言う「オンライン授業を安易に続ける大学に不安や疑問を感じる学生は多い。」の「安易に」がどのようなものか?それが分からないとコメントしづらい。一方で、そもそも大学とは何か?を改めて考える契機になる。海外の名だたる大学の質の高い授業が受講できることになったのは、オンラインの利点。