アルツハイマー病の新薬 米FDA承認と発表 エーザイが共同開発

コメント

選択しているユーザー

• 市川 衛

  医療ジャーナリスト

  ・2021年06月08日

  この記事では、製薬企業のコメントとして「薬の価値はコストに見合う」としていますが、米国の非営利団体が出した中間報告では、「最大限に効果を見積もっても全く割に合わない」と読み取れる結果が報告されています。
  
  この薬が現状で認められているのは、「病気の原因物質ではないかと疑われているものを減らせる」というだけで、認知機能の維持や改善に役立つかは確かめられていません。
  
  迅速承認されたこの薬の年間の薬剤費はおよそ600万円と発表されています（初年度は用量を少しずつ増やしていくのでもう少し安い）
  
  日本ではだいたい600万人の認知症の人がいると言われていますので、仮に全員が使うと年間36兆円ほどの医療費がかかることになります。
  
  これは現実的ではないので、誰に、いつ、どのくらい使うのか。そもそも効果は費用に見合っているのかを慎重に見極めなければいけないでしょう。日本で承認されるかどうかを含めて、今後の議論が注目されます。