ミャンマー弾圧で20人死亡 4月以降最大規模か
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この事件の特徴は、小さな村で老若男女問わず20名が国軍に殺害されたことです。
4月9には、バゴーという地方都市で1日に82名が殺害されたことがありました。ただ、バゴーは人口25万人の古都です。
6月5日に20名前後が殺害されたのは、ほとんどが農業をやっている南東部エーヤワディー州の小さな村Hlay Sweです。
事件が起きた経緯はこうです。最初、自分がつくったバナナを市場へ運んでいた老人が捕まりました。今のミャンマーでは至る所で軍と警察が検問を敷いていて、頻繁にいいがかりをつけます。たいていの場合、賄賂を払えば通行できますが、この老人の場合、「武器を運んでいる」という言いがかりをつけられて、拘束されました。拘束するのは、相手の身内に身代金を要求するためです。これも、頻繁に起きています。
老人の村の人々は、賄賂や身代金の要求に耐えかねていて、集団で抗議に集まりました。すると、国軍側は、「反乱」と断定して、村の人々に無差別に発砲を始めました。この村と近隣の村の住民があわてて避難しました。殺害されたのは単に運が悪かった、逃げ遅れた人々です。一番下は4歳、老人まで含め、20名は殺害されていますが、正確な人数はわかりません。
こういう、国軍の部隊が村全体に無差別に発砲するということは、各地で起きています。きっかけは、賄賂や家財、若い女性を差し出さなかったというような場合が多いです。
国軍のこういう振る舞いは、ロヒンギャをはじめとする少数民族の居住地域では従来から見られましたが、各地で増えています。国軍兵士は給与や生活物資も滞り、補給が不足したまま戦闘に駆り出され、非常に荒廃しています。こういう状態で上も止めないので、略奪に走り、ちょっとしたきっかけで一般人を殺害しています。塩崎氏のコメントを拝見するに、無茶苦茶な状態ですね。
タイにいて非常に興味深いのは、隣国でかつサービス業等でミャンマー人が多いにもかかわらず、ほとんどの人が今回の件について無関心な点です。
話題に挙がることもほとんどありません。