「韓国バッテリー」の企業価値が過大評価された? 外資系投資銀行のレポート相次ぎ登場(中央日報日本語版)
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モルガンスタンレーやクレディスイスが半導体と同様に考えていた韓国の(車載)バッテリー企業の評価が過大だったとレポートを出し、①バッテリー新生企業が登場して競争過熱、②自動車業界で相次ぐバッテリー内在化戦略をその理由に挙げています。
①の新規参入者が今後出て来て競争が過熱になる点は、中プーディー電池(弗迪电池)のIPO発表等も有り、強ち間違いでは無いでしょう。しかし競争が過熱になるからバッテリー事業の収益性が下がるというのはどうでしょうか。
元々変動費の割合が高いバッテリー(セル)は収益性が低く、欧米に主要メーカーが居ないのもその理由です。また今後世界中でギガファクトリーが乱立したらレアメタルの資源価格は上昇し、変動費の割合は更に上がるでしょう。
なので中国のCATLやBYDがNaイオン電池を開発したり、LFPに回帰して、資源が比較的豊富なNaやFeを使ったバッテリーを主軸にしようとしています。現在主流の三元系NMCは、NiやCoを使用しており、Liもレアメタルです。Korean3(Samsun SDI、LG Energy Solutions、SK Innovation)は、三元系バッテリーが中心です。
また②の自動車メーカーの内製化ですが、確かにVWの角型バッテリー内製化の発表はLGには痛手でしたが、米中の対立からLGはGMとSKはFordと米国にJVを設立しています。つまり米自動車メーカーは内製化を表明してません。テスラは内製化を表明してますが、一方でパナやLG、CATLからの調達もしています。
②の内製することの意味合いは、①で挙げた資源調達にも関係します。自動車メーカーの資源調達能力を活用出来る点で歓迎すべきで、三元系バッテリーを製造するにはKorean3単独では生き残れなくなったことの証左です。
つまりバッテリー製造が潜在的競合や買い手の新規参入で競争が激化し、コストリーダーシップ戦略を取っていたKorean3は、実は資源調達力や技術的優位性を持っておらず、ダンピングに過ぎなかったということです。
そして現在の競争環境は、バッテリー製造の二大課題である工場の設備投資と資源の確保に対して、国家による産業支援と、民間による製造方法のゲームチェンジと代替素材の開発が行われている状況です。これらの点でKorean3は日中と比べると弱いんですよね。仮にEV市場が成長しても収益は増えないと欧米金融機関は予想。
補助金予算の限界が表面化すると。
>モルガン・スタンレーもやはり「電気自動車市場は10年間に年平均20%成長するだろうが、バッテリーメーカーの収益性は競争激化でこれに満たないだろう」と診断した
参考は記事のコメント欄
https://newspicks.com/news/5889923