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いつも思うんですが、テーパリングって言われて意味の分かる人は世の中に何人いるんでしょうね。
債券購入策の縮小とか、金融緩和の出口戦略とか、なぜわかりやすい言葉で伝えようという努力をしないのでしょう。ブルームバーグは金融人向けだから仕方ない、ではないと思うんですよ。
こういう場合に世界の当局者の情報発信のやり方はほぼ決まっていて、

1.物価は簡単には上がらない
(需給ギャップが大きいから、低インフレ期待が織り込まれているから等々)

→2.物価は上がるだろうけど一時的
(一時的な供給制約によるもの、財政は引っ込めることが可能、等々)

→3.テーパリングをすることは引き締めには当たらない
(緩和的な金融環境は続く)

というものです。現在の米国の物価環境の中、1→2の流れの後、今は2→3が意識されはじめている、ということかと思います。
昨秋から上がり続けた米国の超金利ですが、インフレ率が高く出始めた4月初旬に逆に下がって今も1.6%前後で比較的落ち着いています。インフレ期待を織り込んで長期金利が上昇すると、コロナ対策で大きく膨らんだ政府の借金の利払いが膨らんでバイデン政権が進める巨額の財政支出に影響し、金融が絞られれば実体経済と株価にマイナスの影響が及びます。バイデン政権の巨額の財政支出とFRBの量的緩和の組み合わせは雇用が弱くインフレ圧力は一時的という前提で成り立っていますから、金利が落ち着いているとはいえ、ちょっぴり気になる情報ではありますね・・・ (・・;
金融政策はプリエンプティブな対応が基本ということでしょう。
市場は将来予測によって動きますから、その将来予測に働きかけるというのは有効で、口先介入的なものが効果がある理由となっています
利上げの時期は2023年以降だとしてもそれは出口の最終扉であってテーパリングは最初の扉。その扉を開けるかどうかの議論が扉の前で行われている、というフェーズです
緩やかなインフレに「ソフトランディング」する(経済に大きな混乱を与えずに低率のインフレにする)のが容易でないのは、インフレの実態とインフレ期待が乖離する点も一因だろう。

インフレが先行するときに、実体経済で打撃を受ける経済主体(実質賃金が低下する就労者や名目金利の早期上昇に直面する債務者)が支配的になると、実体経済に悪影響(需要減退等)が及び、インフレが持続しない。

さりとて、インフレ先行を押さえ込もうとすると、経済でインフレ期待は定着せず、物価や金利の先高感からの設備投資や消費が喚起されず、実体経済がなかなか浮揚しない。

インフレは景気回復の先行指標という面もあるから、ほどよいインフレ期待は容認・放置してよいが、インフレ先行に実体経済がついていかないと、インフレ期待を押さえ込まざるを得ず、金融政策にとってジレンマとなる。

期待に働きかける部分も含めて、「いい塩梅」の金融政策は、洋の東西を問わず容易ではないが、インフレ期待に働きかけられるのはやはり金融政策しかない。

デフレを脱却させてインフレにするだけなら何でもいいというなら、乱暴な財政金融政策を講じればよいが、それでは「ハードランディング」になるだけだ。