エクソン株主総会、物言う株主の取締役選出 気候変動対応へ圧力
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注目のコメント
社会課題、持続可能な社会の実現に向けて、その方向性と異なる経営方針を掲げている経営陣への株主からの圧力はますます高まっていくでしょう。今回のケースは極めて分かりやすく;
1)経営陣のパフォーマンスにそもそも満足してない(株価ピークは2014年でそこから40%以上低い株価水準)。なお、ウッズは2016年にCEOに昇格
2)短期的な利益を重視し、気候変動の対策を軽視している姿勢から長期的な価値毀損のリスクを投資家か感じている
ヘッジファンドのエンジンナンバーワンがこの点を指摘し、経営陣の刷新として4人の取締役候補を挙げた。
そこに世界最大の投資家であるブラックロックが候補者のうち3人に賛成票を投じたというニュース。ブラックロックはESG運用をリーダーとして積極的に推進しており、自ら提言することに加えて、提案についてもESGの観点をより取り込んで判断する方針を明確にしており、今回の賛同もそれに沿ったもの。名前が出ていないですが、世界中の大手機関投資家がESG運用を強化していることから、多くの投資家がこの点で賛同したものと考えられる。
それにしても、エクソンのウッズ最高経営責任者(CEO)のコメントはステークホルダー価値を重視するこのご時世には空虚に響いている気がします。
51歳と古い世代の人でもないですし、2016年の時点でSDGsなど社会機運は十分高まっていたはずなんですけどね(だからこそ機関投資家のフラストレーションも大きい)・・・・・・
「エクソンはすでに化石燃料からの多角化を進めており、気候変動対策により利益を危険に晒すべきではない」時代の大きな変節点を感じるニュースです。
私は気候変動問題対応/ESGを「まあ流行り物のファッションでしょう。サステナビリティといっても儲からないし」として捉えている経営者は、かなりリスクのある経営判断をしているのだと思っています。エクソンモービルにてアクティビストが提案した取締役が複数選出される異例の事態。モノ言う株主が!という文脈で語られてしまいそうですが、一時は時価総額世界一だった巨大企業をアクティビストだけで動かせるわけもなく、ブラックロックなど多くの機関投資家(生命保険や年金基金などが中心)が支持に回っている事が背景にあります。
https://project.nikkeibp.co.jp/ESG/atcl/column/00005/042600073/
こちらの記事で背景が語られているように、現経営陣も脱炭素に向けた戦略を採っており、株主とも会話をしてきたのですが、更なる脱炭素・脱石油を迫られている格好です。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR26E1F0W1A520C2000000/
こちらでは、シェルがCO2削減目標が手ぬるい、と裁判所から判決を受けたニュースも
巨大なESG投資マネー(中身は生命保険や年金基金などの超長期資金)や各国政府が、企業に脱炭素化に向けた変革を迫る流れがどんどん強まっています。