IHI、小型原子炉に参入 米新興に出資
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①がNuScaleのリリース(IHIの開示はまだない)。記事にもあるように日揮(JGC)が4月に出資済み(②)。
記事の写真を見てどこかで見た記憶が、と思ったのだが、こちら韓国Doosanが設計をしているもの(③)。Doosanは出資はしていない模様だが、他に米国のエンジニアリング会社のFlourが初期に投資している。
IHIは格納容器、Doosanは原子炉やタービン、日揮やFluorが工程全体のエンジニアリング?
①https://bit.ly/3p0tcYP
②https://newspicks.com/news/5739688
③https://newspicks.com/news/5261744IHIもですか!総合重機プレイヤーも参入ですね。
IHIは沸騰水型原子炉(BWR)を手掛けますが、世界的には加圧水型原子炉(PWR)がより普及しており、今回のNuScaleの小型モジュール炉(SMR)もPWRです。出力は従来のPWRの1/20程度とされます。
IHIのエネルギー関連セグメントは売上高構成比率22%で中核事業ではないものの、今後同セグメントを抱える企業が脱化石燃料していく中で、次世代の原発への先行投資をする方針ということでしょうね。
アメリカについては、安全保障、中露からの原発輸出優位奪還と世界標準(安全標準など)の確立などの観点からSMRの開発に注力しています。
今月1月には、安全保障と宇宙探査のためにSMRを推進する大統領令を出しており*、本NuScaleプロジェクトは昨年秋に規制委員会に承認されたところです。米エネルギー省も支援しています。
加藤アナリストが記述しているとおり、NuScaleのSMRはSMART (System-integrated Modular Advanced Reactor) 輸出を推進する韓国の斗山が主要部分に携わっています。他にGE Hitachi Nuclear Energyなどが開発中のものはBWRであったり、溶融塩炉(MSR)であったりするので、NuScaleのとは異なりますが、今後どのモデルが成功していくか、企業のパートナーシップ勢力図がどうなっていくか、注目していきたいです。
*https://trumpwhitehouse.archives.gov/presidential-actions/executive-order-promoting-small-modular-reactors-national-defense-space-exploration/2007年創業のNuScaleというスタートアップ。Wikipediaがやけに詳しいです。
https://en.m.wikipedia.org/wiki/NuScale_Power
ねずみ講的投資案件に巻き込まれたり創業者も辞めたり設計上の安全性を指摘されたりしながらも、しぶとく開発を続けて2029年頃のリリースを目指しているそうです。