長尾真・京都大元総長が死去 文化勲章、人工知能研究で業績
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長尾先生、ご冥福をお祈りします。
最後にお会いしたのは、国立国会図書館の改革のお話でした。いくつになっても熱く未来を語っていたのが印象的でした。
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ぼくの社会人最初の仕事は、電電公社を株式会社化する株売却益で自動翻訳電話を開発するAIプロジェクトを起こすこと。京都大学長尾教授を凸撃し研究会の座長をお願いしました。その後ATMが作られ、35年たってNICTボイストラなど世界の先を行く成果を作りました。
MITでの活動を持ち帰り、けいはんなでプログラミングのワークショップなどを開くセンター「CAMP」を開いた際には、京大の総長でいらっしゃいました。9.11直後のことでした。お招きしたら「あぁあんたがやっとるんか。」と覚えていただいていたことに感激しました。
NICTの初代トップ、そして国会図書館長に就任され、デジタルアーカイブを劇的に作られました。おかげで知財戦略でもアーカイブ論議がぐいっと前進しましたが、その後ガソリン不足で困っています。
そして、デジタル教科書です。2010年、教育デジタル化が進まないことに業を煮やし、デジタル教科書の制度化とPC1人1台を旗頭に運動を始めたところ、教育の学界からボコボコにされ、長尾先生と、東大・小宮山先生と、慶應・安西先生、工学トップの3学長に話をしたら、即答「進めろ」。3学長が揃って推進役を買ってくださり、やっと動き始めました。実現するまで10年かかったのは、ぼくら世代のパワーが足りなかったためです。
鋭い眼光から繰り出される柔らかい関西弁でご指導くださいました。ご恩返しできないままでした。ありがとうございました。合掌。長尾先生の訃報は我々の業界に大きな衝撃を与えています。
京大総長、(理系出身初の)国会図書館長などを歴任されたことは記事にも書いてありますが、やはり一番のご功績は世界中で活躍する数多の優秀な研究者を育て上げられたことだと思います。取りこぼしてしまうと嫌なので具体的なお弟子さんたちのお名前は挙げません。
ご冥福をお祈りします。機械翻訳のパイオニア
“I bought a car with four doors”
“I bought a car with four dollars”
前者はwithがcarに係り,後者はboughtに係るといったことがわからないと正しい日本語文に翻訳できない、こういった課題に取り組むには統語知識だけでは不十分で意味を取り扱うことこそが重要なのだと長尾氏は考えたという。(まだ1960年代半ばのこと)
【学界と業界の距離】
乗り越えないといけない壁だと思いますね。やっぱり機械翻訳をやってる連中はですね、そういう辞書のノウハウが欲しい、用例辞書が欲しい。だけども、なかなかもらえないのでね、いろいろ考えて、最近ではもうネット上に山ほどテキストがあるから、それをわーって集めて、対訳テキス トを集めて、それを機械的に処理することによって、翻訳会社が用例辞書を作ってたのと同じようなことを、もうコンピューターが力任せで作るっていう方向に なっているわけなんですよね。だから、そういう風に技術が進むわけですから、やっぱり翻訳会社の方々も、こう、抱え込んでやってても、あんまり発展性がないんでね。
翻訳なんていうのはね、人間の頭脳活動の中でも最高のものだと思う。
【日本人の生きる道】
日本ほ ど全世界の文学だけじゃなくて、いろんなものをね、翻訳して消化している、理解している国ってないんじゃないかと思うんですよね。ものすごく翻訳してる。 それによって日本人は、世界中のいろんなところが、どんな風になってるのかっていうことがわかっているわけなんで、そういう意味できちっとしたプライドを 持って、自分たちが生きていく方向性をもっともっと考えれば、自然とこれはやっぱり世界に対して影響を与えていくことができると思う
日本翻訳ジャーナル スペシャルインタビュー(長尾真氏)熱く語ってくれています。https://journal.jtf.jp/special/id=81
生前のご功労に敬意を払い、ご冥福をお祈り申し上げます。