中国ファーウェイ創業者、ソフトウエア事業への軸足転換明確化
コメント
注目のコメント
米中摩擦の影響を直接受けているファーウェイは事業転換が急務となっています。
4月に自動運転・EV投資方針を発表しましたが、撤回されたとの報道もでており、迷走している印象です。
同社は研究開発に相当力を入れていましたが、その分多くの研究者を自社で抱えています。ハードの研究者がソフトの研究へと転換するのは無理があるため、これらの人員の処遇をどうするのか悩ましいところだと思います。
通信機器分野で中国を代表する企業にまで育った同社が、今後どのようにソフトウエア事業へと転換していくのかとても興味深いです。少し前の記事になりますが、ファーウェイの基本事項はこちらなど、NewsPicksオリジナル記事を検索してご覧いただくとよいかと思います。他メディアに先駆けてファーウェイには注目し、オリジナル記事を出してきました。
https://newspicks.com/news/3339682
過去10年分程度の年次報告のデータをまとめてみましたが、ファーウェイにとって伸びている海外市場はEMEA市場でした。中国を除くAPACは伸び率はあまり高くありません。米州市場はそもそも割合が小さく、伸びもありません。(中国国内市場は非常に力強いです)
セグメントでみれば、これから重要になるのは近年の伸び率や、各イベントでの幹部や担当者の発言からみて法人向けのICT事業と思われます。伸び率は低いですが、ネットワーク事業という非常に手堅くキャッシュを生む事業と巨大な中国市場のトップランナーであることベースとして、伸び率の高い事業と外国市場をどう伸ばしていくか。米中貿易摩擦が引き金となって、ファーウェイの新たな戦略がどう展開していくのか。
創業者任氏の「ファーウェイの冬」という有名なスピーチがありますが、まさに今、重要局面を迎えていると言えそうです。一昨年、任CEOが文藝春秋のインタビューで次のように答えていたんですよね。
「(2002-3年ごろ、任CEOは)もし今、会社を売らないのなら、10年後にはアメリカとの激しい衝突に直面することになる。心の準備をする必要がある」と言いました。その時からファーウェイは『プランB』を持って進んできました。...中略...『プランB』はいつ使われるかわからないものばかりですから、社員は『私たちは日の当たらない部門だ』『会社は私たちを重視していない』と不満を持っています。私はいつも『給与やボーナスに影響あるか?影響がないならいいだろう』と彼らを励ましています。」(文藝春秋2019.7号より)
おそらく想定以上の状況かもしれないが、それにしたってめげずに立ち向かっている姿が根性たくましい。そこは本当によく頑張っていると思う。結末がどうなるか予測できないですが、リスクマネジメントって結局、トップの感度だと思います。