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臨床試験で確認されるefficacyだけでなく、実社会でのeffectivenessを改めて確認するプロセスは大切です。実社会は臨床試験のようには振る舞われないことも多いからです。

しかし、すでに10億回を超える接種が世界中で行われ、様々な人種で実社会でのeffectivenessも確認されたワクチンなのですから、「日本人は特別」という根拠のない信念で、この試験結果を待ち続ける必要はありません。

順番が来たら、予防接種を受けましょう。
臨床試験の内容は、「承認用法通りの1日2回投与」と「受けたくない人」のオープンラベルの半年間比較検討です。今回の試験デザインでは、医薬品の承認に使用できる精度のデータは得られません。しかし、臨床試験としては、かなり実施しやすい部類に入ります。ここに1回投与群を入れると、もっとよい試験デザインになるのにとは思います。

医療従事者を対象にしていることからもやりやすいのですが、一読したところ「受けたくない人」をどのようにエントリーするのかが難しいと感じました。しかしおそらく、「受けたくない人」との説明は、「現時点で受けられない人(接種を少し遅らせることを含めて)」が正確なところだと思います。だとすると、意図するところが見えてきます。

元の臨床試験(外国で緊急使用承認審査時に実施)では、接種群とプラセボの比較を二重盲検で行っており、当初片群で2万例(ファイザーのケースでは追加でさらに2万例)ほどあると思いますので、それと比較すると精度は大きく落ちます。

今回の日本での試験方法では1500例、二重盲検と言われる方法は使えず、単盲検もできません。両群の比率も不明です(本来は1:1であることが必要)。試験実施者、被接種者ともに、自分がどの群に属するか知っていることから「自覚症状」が主観に大きく作用され、軽微な副反応のデータはあてにならないとされます。ただし、有効性を示す指標の1つである中和抗体など「臨床データ」については客観的な指標として扱われるものと思います。

結局のところは、(1)接種する人の記録をとる(これは普通の仕事) (2)接種できない人(接種の開始が半年遅れる人)にも採血などお願いして臨床検査の記録をとる(この部分に追加の労力がかかる)(3)両者を比較する という、比較的ハードルの低い試験だからやってみたいということでしょう。

これまでの承認条件では、ファイザー製のワクチンではワクチン投与群で80症例程度、アストラゼネカ製も同様の実施、モデルナ製はこれまでのところ要件を満たして実施できた(正しく臨床データが得られた)ことの情報も公表されていません。ただし、ファイザー製の実投与が進んでおり、短期に現れる副反応に関してはほぼ確実に補足出来てはいます。

うがった見方をすると、データが揃わない状態でワクチン承認する予定に対する政府広報記事かも知れません。