円LIBOR参照残高、昨年末で2600兆円超 金融庁・日銀が調査=関係筋
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あまり一般の報道には取り上げられませんが、Liborの廃止は、世界で4京円(KPMG試算) の取引契約のベース金利を取り替えるもので、金融業界的には一大イベントです。
2017年の廃止決定時点では、4年という移行期間はややタイトながら対応可能と言われていました。しかし実際には、相対の契約もあれば、証券化など第三者が絡む契約もあり、これらの交渉からシステム構築まで、移行には膨大な労力を伴っています。しかも円新金利は、米新金利SOFRから3年遅れてスタートという状態です…
昨年度はパンデミック対応による作業の遅れもあったと見られることから、ここからが金融機関の正念場。未曾有の規模の契約変更ですから、移行リスクには見えにくい部分もあります。準備作業は、極めて迅速かつ慎重にという二兎を追う必要があるでしょう。リスクフリーレートだとこれまでLIBORに自動的に含まれていた銀行側の調達プレミアムをどうのっけるのかという点やターム物の金利の計算方法が論点となります。
https://www.zenginkyo.or.jp/libor/qa/もちろん、デリバの場合は想定元本は金額が大きくなりますし移行はもちろん大変なのですが、さらに、LIBORは金融機関自身のリスク・プレミアムを含む調達コストなので、これをただリスクフリーレートに置き換えれば良い、という話にはならないです。(例えば、銀行のリスクプレミアムが上昇し、一方でリスクフリーレートが低下するストレス型の市場となった場合、リスクフリーレートに合わせて貸出金利を下げるのは苦しい。)
したがって、移行作業は「量」だけでなく「質」の面でも大変と思います。是非頑張って頂きたいです。