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免疫拒絶から守る手法としてこれまで、個人を識別するHLAという分子を欠損させて移植先の免疫拒絶から逃れる方法が進められています。一方で、実はHLAの欠損だけではカバーできない免疫システム(NK細胞等)も存在しており、今回はCD155という分子も追加で欠損させ、かつ、MHC class-I antigen E を導入して、より多くの免疫システムから逃れるコンセプトを示しています。
同時に、これらを共に欠損させてもT細胞の抗腫瘍力(マウスモデルにおける)を維持したままであることも示しているものになります。
この論文のプロジェクトが始まったのは4~5年前と記憶しております。その間にHLA欠損まわりの論文も多く出て技術としてメジャーになってきている中でした。もう一つ先のHLA欠損+αの可能性を示せたということで、王さん、おめでとうございます。
Published: 17 May 2021
Nature Biomedical Engineering | volume 5, pages 429–440 (2021)
Generation of hypoimmunogenic T cells from genetically engineered allogeneic human induced pluripotent stem cells
DOI : https://doi.org/10.1038/s41551-021-00730-z
本研究結果が、より安価で安心して治療できる道筋になればと願います。