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日銀のマイナス金利政策が長期化して地銀が苦しい立場に追い込まれ経費削減や統合を迫られていることは事実ですが、国民の負託を受けて税金を使う政府が補助金を出すならともかく、最終的に国庫に納付すべき日銀の利益、つまり税金に相当するものを日銀が補助金として勝手に配るのが果たして金融規制監督の在り方として正しいことなのか・・・
地銀といえども民間企業です。日銀も金融庁も公正な競争の枠組み作りに尽力するのは良いことですが、補助金や行政指導で経営に介入しすぎるのは如何なものかと思わないでもありません (・・;
昨年12月のリリースのポイントが①、またそれ以外の資料も②にある。③は現在の業態別の日銀当座預金残高で3/15~4/15の平均残高は地銀73.2兆円、第二地銀11.6兆円(なお都市銀行は対象ではないが、規模感としては186.9兆円と地銀・第二地銀を合計して2倍にしたくらい)。例えばそこ全てに0.1%の付利がつくと、ざっくり年間848億円(今当座預金はプラス金利・ゼロ金利・マイナス金利適用の3層構造になっているが全部に+0.1%付利と仮定)。
④の全銀の業態別資料をみると、2019年度実績で業務粗利益-経費=実質損益(経費率)を書いていくと、下記のようになる。
地銀:業務粗利益3兆3517億円-経費2兆2940億円=実質損益1兆0577億円(経費率68.4%)
第二地銀:業務粗利益7875億円-経費6097億円=実質損益1619億円(経費率77.4%)
経費率について、2020年度1%、2021年度3%、2022年度4%改善が条件なので、業務粗利益・当座預金が変わらないとして、2022年度だと経費削減の効果が地銀では1341億円、第二地銀では315億円。それに対して付利は地銀で732億円、第二地銀では116億円。
制度設計としては経営体力が弱い第二地銀より地銀のほうが付利が大きく、経費率以外のOR条件として経営統合等による経営基盤の強化を図るというのもある。付利のために統合が起こるとはあまり考えにくいが、経営体力をつけたり第二地銀の経営体力が改善して、そのうえで経営体力があるところに集約を進めさせていく制度設計意図があるように思う。
①https://www.boj.or.jp/announcements/release_2020/rel201225f.pdf
②https://www.boj.or.jp/finsys/rfs/index.htm/
③https://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/cabs/index.htm/
④https://www.zenginkyo.or.jp/fileadmin/res/abstract/stats/year2_02/account2019_terminal/trend.pdf
地方の疲弊は改革進む気のない人たちがあぐらをかいているからですが、地銀がいなくなると、否が応でも効率化は求められるので、変わらざるをえなくなり、結果全体としてはうまくいくように思います。
一昔前は、地方、長男、現役の三拍子が揃った新卒は採用するなと東京の金融機関では言われたものでした。地銀に就職するために内定蹴ってしまうからです。
若かりし頃は日本のトップの秀才軍団が、30年経って、思考停止している姿を見ると、切ない気持ちになってきます。
この人たちの世界はもっと広かったはずなのにと。
何歳になっても変われる姿を見せて欲しいですね。
しかし、ニンジンをぶら下げないと走らないことは問題。
そして、ニンジンをぶら下げると、一気に走り出すことも問題。
更に言えば、早く走ることが目的ではなく、ニンジンをゲットすることが最重要目標になっているのは、やばいなー。
ニンジンを追ってもいいけど、持続的に走り続ける脚力と、ただ走るのではなく、向かうべき草原をしっかり見据えた走りが必要だろう。
きっと出来る!!