「国の未来を国民投票で決めるとヤバい」大混乱が続く英国政治の教訓
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代議制民主政治は、熟議を尽くした上での利害調整や合意形成を旨としている。これに対して、直接投票は勝ち負けしか生まない。そして、H・ケルゼンが明確に指摘しているように、「多数決原理なるものは、『多数者が少数者より強い』という経験的事実を無理に勿体ぶって実現したものに過ぎない」のである。同様の理由で、熟議と合意形成なき議は、議会制度の形式的残骸に過ぎず、直接投票と同じく危険なのである。いずれにせよ、勝ち負けしか生まない多数決は、民主的でも正当でもない。当然、直接投票は危険なのだ。
今や国民投票にとって脅威なのはネット上のフェイクニュースや悪意のある偽情報だ。英国の国民投票の際にも「EUに毎週約480億円もの拠出金を支払っており、離脱すれば払う必要がなくなる」、といった主張が広まったが、これは後になって偽情報だったことが判明しており、結構な数の英国民がこれに騙されたとみられる。
タイトルは英国が全面ですが、中身はスコットランド独立のハードルの高さを独自通貨発行の観点から整理した物です。
我々はそう簡単ではないはずの英国のEU離脱を目の当たりにしましたが、スコットランドでも経済的なメリットを放棄しても、政治的な熱意が勝る時が来る可能性については、誰も否定できないのだと思います。