イスラエル衝突、一帯に拡大 ヨルダン川西岸で11人死亡
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5月11日から13日までは、ガザ地区へのイスラエル軍の空爆による死者がほとんどでした。ガザ地区からパレスティナ人勢力によるロケット弾攻撃がイスラエルの諸都市に対して行われ、イスラエル軍が報復として空爆を続けているためです。
一方、もう一つのパレスティナ人地域であるヨルダン川西岸地区では、イスラエルに対する攻撃は行っておらず、イスラエル軍の攻撃対象外でした。
しかし、5月14日になると、空爆されているガザ地区に同情するパレスティナ人民衆が、ヨルダン川西岸地区やイスラエル各地で抗議行動に出ています。イスラエル軍、警察やユダヤ人入植者に攻撃されて、ガザ地区以外でも各地で死者が出ています。
ヨルダン川西岸地区を統治するファタハの指導部は、イスラエル軍と戦いたくはないでしょうが、一般民衆から突き上げられています。
隣国のヨルダンから国境を越えて支援に駆けつけようというアラブ人たちが、勝手にヨルダン川西岸地区に入り続けています。
https://twitter.com/IpIndependent/status/1393221715052924930
北方のレバノンからもイスラエルに侵入しようとしてイスラエル軍に銃撃を受け、死者が出ています。
イラン軍が駐留するシリアからもイスラエルに向けてミサイルが発射されています。マレーシアやインドネシアのメディアでは比較的大きく取り上げられています。日本権益の多いミャンマーも大変な状況が続き、関心が高いのが理解できる一方、衝突の歴史が続いてきたこの地域に対する関心も向けられたらと思います。おとなになってから中学や高校の世界史資料集をみると、複雑な問題の根源がわかりやすく書いてあり、目からウロコです。
パレスチナ関係のニュースを見ると20年前にNGOのスタッフとして現地にいた時を思い出す。ウェストバンク中心(ヨルダン川西岸地区)でガザは数日訪れただけだが、ガザに対するイスラエル経済封鎖や交戦状態はいまも変わっていない。だから、おそらく現状は同じだと思うのだが、よく「パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマス」と「原理主義ハマス」という表現は、少し割り引いて見る必要があると思っている。
ハマスにはもちろん武器を持って戦う戦闘員もいるが、慈善団体みたいな関連組織もあり、それらは現地で活動する国連などと一部活動を共にしながら、食料や医療物資の配給なんかも行っている。つまり完全に狂信的な人たちが圧政を敷いて民衆を支配しているというわけではない。もっといえば、一般民衆の支持を受けているのだ。
この共同通信の記事を見ると、なんだかCNNのニュースをそのままコピペしたような内容だけど、本当に日本のメディアで現地取材しているところがあれば、こういう書き方にはならない気がする。よくあるのは「現地取材」といっても、テルアビブかエルサレムの安全なオフィスで、ネットを検索しながら書いてパターンで、それなら日本にいるのとのほとんど情報量は変わらない。中東問題は日本も無関係ではないから、正しく判断できるような血の良かったリアリティのある記事を書いてもらいたいと思う。