米有力紙編集主幹に初の女性 ワシントン・ポスト
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伝説の編集局長、マーチン・バロンの後任はAP通信のサリー・バズビー。
これはポストが電子版を伸ばすために、海外の取材を強化しようとしていることから、帰結した人事だと思います。
すでにバロンの時代には、ポストは、ワシントンの地方紙からアメリカの全国紙への脱皮をはかり、それによって有料電子版300万契約という偉業を達成し、取材陣容も増えてきています。
今度はそれを、アメリカから世界へ広げようとしているということです。
すでにポストは、ロンドンとソウルに編集局のハブを儲けて、24時間体制で全世界のニュースをカバーすることを公表しています。シドニーやボコタ、コロンビアに新しい支局を開発することを決めています。こうした海外の支局網をつくるのに、AP通信で長くマネジメントをやったバズビーが必要ということなのでしょう。
ただし、バズビーは88年にこの世界に入った時から、AP通信という通信社で育ってきました。通信社の基本は、アメリカの地方紙にニュースを送ることで、それは、「客観報道」と「速報」が基本とされます。
ウォーターゲート報道時代のベン・ブラッドリー編集局長から先のマーチン・バロンがやってきたような、切り口をみつけて、戦力を全投入して、何度も波状攻撃のようにして報道するやりかたには、まったくなれていないと思います。
この点、ポストは今後、編集者的なセンスを持つ、マネージングエディターやデスクを採用する必要があるでしょう。