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現地を2度訪れたことがありますが、高台のモスク側から壁を越えて下ると、ユダヤ教徒が集まる“嘆きの壁”があります。訪れる人の風景がガラッと変わった印象があります。
武力で圧倒するイスラエルが、これまで以上に強い手段に出た時の、パレスチナ側の報復の応酬が心配です。
https://twitter.com/MiddleEastEye/status/1392285090152075266
ガザ地区のパレスティナ人勢力が5月11日に開始したロケット弾攻撃は、深夜になっても続いています。
一方、イスラエル軍によるガザ地区への報復の空爆も続いています。
イスラエル軍の誇るミサイル防衛システム、アイアン・ドームは、ガザ地区から発射されるロケット弾の9割は、空中で捕捉します。つまり、100発発射されれば10発は着弾します。
5月11日にイスラエル南部の港湾工業都市アシュダッド近辺に発射されたロケット弾は200発を超えていました。実際、20ヵ所程度には着弾して、学校や家屋などに被害が出ました。住民の大部分は防空壕に退避していましたが、2名の死者が出ました。
深夜、日本時間午前3時に、最大都市テルアビブに向けて130発以上のロケット弾が発射されました。何か所か被害が確認されています。テルアビブでも死者が1名出ました。
イスラエル軍の空爆でロケット弾攻撃を止められなければ、地上戦でガザ地区を攻撃せざるをえないでしょう。すでに主力戦車のメルカバがガザ周辺に次々と配備されています。
ガザ地区からミサイルを発射する様子の広報ビデオ。着弾地点の映像は5月11日のものですね。
https://twitter.com/UmairMinhass/status/1392153057417367552
5月11日夜、イスラエル軍の空爆で破壊されるガザ地区のビル
https://twitter.com/Conflicts/status/1392170304294854656
テルアビブで炎上するバス(無人)
https://twitter.com/Conflicts/status/1392180401557356545
テルアビブ上空で続くミサイル防衛
https://twitter.com/Conflicts/status/1392182061092544513
今回の衝突のきっかけはエルサレムのアル・アクサー・モスクでの衝突でした。
アル・アクサー・モスクはイスラムの最高聖地の一つで、現在はイスラエル領ですが、その宗教性を考えてモスク自体はヨルダンが管理するなど、ある意味象徴的な場所になっています。
現在東エルサレムを含むヨルダン川西岸は、ハマスではなくファタハが統治しており、事実上パレスチナは分裂国家の状況になっていますが、実は5月22日に15年ぶりの選挙が行われることになっていました。
ところが下馬評ではハマスが優勢で、政権交代を恐れた4月30日パレスチナ自治政府は、急遽エルサレムでの衝突を理由に選挙の延期を発表しています。
イスラエルとしては当然ファタハの政権が続いて欲しいので、これを支持していますが、ハマスは当然反発を強めています。
同時に、ハマスが、アル・アクサー・モスクでの衝突をきっかけにイスラエルと戦える唯一の存在として強硬姿勢をアピールし、パレスチナ自治政府に圧力をかけることを考えるのは自然な流れだと思われます。
ハマスにとっては強硬姿勢が来るべき選挙に利になる以上、簡単に引く可能性が低く、場合によっては業を煮やしたIDFのガザへの地上侵攻という可能性もあるかもしれません。
双方の言い分があるのは当地で暮らしてみてよくわかりましたが、なんとか落とし所が見つかることを願いたいです。
https://twitter.com/Jtruzmah/status/1392180564166275075
羨ましく思っていましたが、現実は厳しいですね。
報復の応酬ということにならなければいいですが。