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かつてNYで子育てをしていた時期がありますが、明らかに東京よりも育てやすかったですね。一番の理由は幼い子どもに対して周囲の大人が優しい点です。公共交通機関で乗り合わせても、子どもに向けられる視線や態度は温かく、さりげなくサポートされることがしばしばありました。保育園が「迷惑施設」などと言われることもありません。小さな子どもを連れて参加できる無償のイベントも数多くありました。子どもを大事にしようという空気が、社会全体に根付いていたと思います。これまでに40カ国以上を子連れで訪れましたが、どこも(東京と比較して)相対的に子どもには優しかったです。
内閣府のサイトを見たところ、まだ調査票や調査結果などが掲載されていませんので何ともいえませんが、政策の拡充もさることながら、子どもに冷たい大人が多いから、育てにくいと感じる部分も大きいのでは?
保育園を増やそうとしたら迷惑だとか園庭がないなんて、とか。保育料を無償化したらしなくていいとか、何かを満たすとそれは当たり前になってしまい次の不満足に目を向けるこの精神が『子育てしにくい国』をつくりだしているような。
海外では物流や公共サービス、交通機関がほんと時間を守らないが=自国は暮らしにくいとはなっていない。メンタリティも大いに影響していそうな数字。
調査の比較対象となっているアメリカ(95.2%)、ドイツ(91.9%)、スウェーデン(97.1%)よりは低いものの、そこまでは遜色ない水準。
これらを見る限り、現状、日本は若年層よりも高齢者にとってより住みやすい国と言って差し支えないのではないでしょうか。
なお、第9回の「高齢者の生活と意識に関する国際比較調査」は現在実施中だそうです。
平成27年度 第8回高齢者の生活と意識に関する国際比較調査結果
https://www8.cao.go.jp/kourei/ishiki/h27/zentai/index.html
フランスは「パートナーや仕事」は流動的なものとみなし、男がいなくなっても、仕事がなくなっても「あなたの子育てだけは政府が面倒見ますよ」というメッセージを政策を通じでずっと発信しています。
フランスの友人は、産むところまで全部タダ、産んだあともお金がかからない、と言っていました。本気で少子化を課題視するなら、保育無償化の手前の、「産む」までのお金を税金で支えられるようにすることは必須だと私は感じます。
ブラジルでは、ベビーカーで街を歩いていると、まるで王様を連れているかのように横断歩道で車は止まってくれるし、扉があれば必ず誰かが開けてくれますし、段差があれば「上げるの手伝おうか?」と普通に言われます。それどころか、全くの見知らぬ通行人でもほとんどの人が「何て可愛いの」と言って愛情を持って接してくれます。
ブラジルは教育費も高いですし、場所によっては治安も良くないので日本のように子供たちだけで登下校するなんてことは難しいですが、それでも、みんなから愛情を注がれるという環境は素晴らしいと思います。みんなで、街全体で子供を育てるという意識があるかどうか、ということでしょうか。
ちなみに、以前アキレス腱を断裂して松葉杖をつきながら日本へ帰国したことがあります。途中、経由でパリに1週間程度いたのですが、サンパウロ、パリ、東京で最も松葉杖をついている人に優しかったのはダントツでサンパウロでした。都市インフラは確かに東京が圧倒的に整っていますが、人的なインフラは残念ながら東京が最も悲しい結果でした。