台湾のTSMCはなぜ成功したのか?
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注目のコメント
3年ほど前にTSMCに関心をもって台湾にも行きましたが、何故これだけのシェアを得るに至ったかよく理解できました。この記事はよく書かれていると思います。
「あなたたちのために、我々はなんでもします」
古今東西変わらぬ、成功者のポリシーです。
48分あたりから、この台詞があります。
https://www.youtube.com/watch?v=_TGP5cjuw8Uバッテリーのファウンドリを目指す、スウェーデンのノースボルトCEOのピーター・カールソンは、TSMCのモリス・チャンの元TIとは違い、元テスラで調達担当。バッテリーの設計や製造は理解していないようです。
ノースボルトは原材料メーカーが提示するスペックとコストに余裕があることを見越して、いかに安く製造するかを追及し、母国の水力発電とEUの資金を活用します。
スウェーデン鋼を活用したLFPバッテリーとか考えても良いと思うんですが、一般的なリチウムイオン電池を作れる日韓のエンジニアをスカウトするだけくらい。
VWやボルボなどから歓待されているノースボルトと、フィリップスのみ賛同して認めさせていったTSMCでは、技術に対する理解も覚悟も雲泥の差でしょう。
今やどの国もパーパスだ脱炭素だとWhatばかり喧伝しますが、出来もしないWhoがお金に物言わせてHowまで調達してビジネスしたところで、次の世代に技術も思想も産業も受け継がれないでしょう。
TSMCの場合は、後藤新平によるインフラ整備も大きな貢献があったかと思います。アジア人同士で争うことの愚かさを早く気付いて、やるべきことを地道にやることは今こそ必要なんだと思います。
彼の地で工場立ち上げても長く続かないと薄々TSMCの幹部も理解していると思うんですが、どうなんでしょう。
追記
半導体の微細化という「かたち」を制御して処理速度を上げるということと、電池の正負極等の「構造」を設計して電気を多く貯めるということは異なります。前者が長さや露光といった「外延量」を制御して、限界まで物理理論で押せるところを、後者は「内包量」として有限要素の組合せを「構造」として制御する数学と化学理論が求められます。
つまりノースボルトのピーター・カールソンはケミカルに疎くても調達経験から、バッテリー設計における、構造的、群論的な数学を究めることは出来るはずで、ビジネスとしてはエコシステムやサプライチェーンの最適化?(何か違う気が)を目指せると思います。
これはモリス・チャンも実現していない、ファウンドリとしての新たな重要課題だと思います。バッテリーだけでは無いですし、線形での投資競争でも無いですし、ものづくりを今後人類はどうして行くのかの理論化だと思います。