バラバラの水素政策 求む、脱炭素の司令塔
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日本の温暖化対策のいちばんの課題は、「温暖化対策」と「エネルギー政策」の議論が別々に行われていることです。
日本の温室効果ガスの9割はエネルギー起源のCO2なので、エネルギーの電源構成、すなわち、どのエネルギーを使うかの決定そのものが、最大の温暖化対策になります。
なのに、▽「温暖化対策」は環境省、▽「エネルギー政策」は経産省と縦割りになっていて、議論がなかなか進まないのが実情です。
その点について、本会議で、環境大臣・経産大臣そうほうにただしました。
⇒ https://youtu.be/u_DnbnlfwzY
イギリスの「エネルギー・気候変動省」などのように一緒に議論を行う体制を作ることです。
注目のコメント
元々カリフォルニア州のZEV規制対策としてFCVの普及政策から始まり、なかなか進まないのでPEFCの定置利用として無理矢理エネファームをやったが、補助金が切れて撤退が相次いだ。FCVの方は2008年に最後通告を喰らい、お尻に火がついて新エネ予算から石油予算に組み替えて2015年から水素ステーション補助と来て、最後は2050年80%減政策を追い風に輸入水素で水素発電に繋げようとしているのが、日本経産省燃料電池推進室水素戦略だった。
環境省は、再エネ低圧水素事業でちまちまやっていた。
ところが、2014年から内閣府のSIPでアンモニア発電が取り上げられ、JERAが電事連を無視してアンモニア発電でゼロエミッション宣言をしたことで、日本も脱炭素(2050年カーボンニュートラル)にコミットして事で、液体水素+MCH vs. アンモニアによるエネルギーキャリアの対立に。経産省水素戦略にアンモニア発電の記述がつい最近までなかったのはその為。
欧米にはドイツとカリフォルニア州はある程度やっていたが、元々まとまった水素戦略などなかった。ここ2,3年で急激にラッシュ。
因みに英国のエネルギー・気候変動省は2016年に編統合され、ビジネス・エネルギー・産業戦略省に変わりました。
2050年までに脱炭素する科学的根拠はIPCCが2018年に出した1.5℃特別報告書だと思います。ただ、コストに照らしてどうすべきかは科学で示していないですが。司令塔は必要でしょう。本件と似ているのですが、企業変革への取り組みについても、それぞれの部署は頑張っているけれど、バラバラであるために全社的な動きへとつながらない、という問題があり、相似形に見えます。
しかし、いま一歩考えてみると良いかなと思うのは、司令塔は誰がどうやったら果たせるのか、という問題です。
確かにトップのビジョンは大事かもしれない。でも、トップがビジョンを示すためには、トップが学ぶだけでは不十分であり、下からの適切な筋の通った様々な提案が不可欠です。
つまり、司令塔がないのはどうしてなのだろうか、というところから変革を始めなければならないのではないかと思うのです。「官民の足並みがそろう欧米に対し、ちぐはぐな水素政策が目立つ日本。資金や人材などの資源を分散したままでは、生き馬の目を抜く脱炭素時代を乗り越えられるか心もとない。石油危機が起きた1973年、経産省の前身である通商産業省に資源エネルギー庁が設置された。それから約50年、カーボンゼロを担う新たな司令塔が必要だ。」
このままでは規格作りの巧い欧州、民間主導イノベーションのアメリカ、強権で超スピードの中国、に対して全く勝負にならない。ばらばらのまま、負けていく。