英雄「ナポレオン」没200年の今、猛批判される訳
東洋経済オンライン
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注目のコメント
歴史的な人物を現在の価値観で裁いたところで意味はありません。
例えばここに挙げられている奴隷制ですが、たしかにナポレオンがマルティニークの国民公会が廃止した奴隷制を復活させたのは事実ですが、そもそも国民公会が奴隷制度を廃止したのは、人道上からのものではなく、ハイチの奴隷反乱を宣撫するためのものです。
ハイチが独立した後、後顧の憂がなくなったので奴隷制は復活されましたが、それは当時としては当たり前のことでした。
例えばイギリスで奴隷制度が廃止されたのはナポレオン失脚後の1833年、アメリカは1860年、中南米では1880年代まで続きました。
1804年から1815年のフランス皇帝に、当時の世界常識を遥かに超越した現代的道徳観を求めるのは無理筋というものです。
自分が歴史的著名人より高い倫理観を持ち、道徳的に優れているとマウンティングしたくなるのは我々凡人にとっては仕方のない側面もありますが、あまりフェアではない行為だと認識しておいた方がいいでしょう。アンシャンレジームの復活を抑え込んで、ブルジョア革命をヨーロッパに浸透させた功績は、回り回って現代的自由に貢献しているという考えにはならないんでしょうか。
好機の神(カイロス)をつかまえた行動力だけでなく、混乱の時代を統治する能力は今でも参考になるし、今のノブレスでないエリート層こそアンシャンレジームなのかもしれません。