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現在、米国で使われている新型コロナワクチンは、すべて同国内「緊急使用許可」の扱いであり、どのワクチンも正式承認されていません。米国の「緊急使用許可」は臨床試験成績が十分ではなく、平時であれば医薬品として使用が認可できる条件にはない場合でも、国家が危機に瀕した状況であれば、使用しながら常時モニタリングしていく条件のもとに「特例的に使用を認める」というものでした。緊急時は、安全性や有効性の信頼度が低くとも、使用が優先される(ベネフィット>リスク)との考え方に基づきます。

大規模な臨床試験の完遂を経ずに「緊急の使用許可」が出されているため、現時点では「未承認医薬品」です。したがって、米国でのパンデミックが終われば、当ワクチンは米国では使用できなくなります。

ファイザー社としては、正規の承認を得るための臨床試験データをまとめていましたが、現時点では承認要件を満たす状態になったと判断したと思われます。今回の場合、あらたに臨床試験をせずとも、臨床使用許可での接種者のモニタリングを通じて数万名の6カ月以上の試験成績が入手できていますので、別途行う必要はないものと思われます。

一方、日本では、米国での「緊急使用許可」の成績(あくまでも承認されているステータスではありません)をもって、日本で優先審査が行われ、ファイザー=ビオンテック社製は薬事承認されています。日本では、「緊急使用許可」の制度がなく、日本で使用するためには「正規の薬事承認」を与える以外の選択肢はありませんでした。したがって、パンデミックが終わっても日本国内の承認が取り消されることはありません。現時点では、承認ステータスの「ねじれ」が起こっている状態にあります。
高橋先生のコメントが分かりやすいです。
多民族国家のアメリカでは、製薬の効能が民族の違いでかなり差が出たり、想定していなかった副作用が出たりして、承認された後にも使用制限条件が変わることがよく起きると、現地で聞いたことがあります。
緊急使用の必要性も、日本とはかなり違う局面があるのだろうと推測します。

緊急使用という概念を法律が持っているのは、やはり常に有事を意識しているからかと。
ファイザーとビオンテックは、新型コロナウイルスワクチンの16歳以上への使用を正式に承認するようFDAに対し申請の手続きを開始したとしています。

ファイザーのリリースはこちら。
https://www.pfizer.com/news/press-release/press-release-detail/pfizer-and-biontech-initiate-rolling-submission-biologics