JAL、2866億円の最終赤字に 旅客が激減、再上場後初
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JALについては、ANAと違い今期予想は出していない。ただ、黒字化イメージという図を出している(スライド5)。
コロナ前と比べて、例えば国際線がゼロでも国内線が80%弱でEBITDA黒字化、国際線が10%前後だと国内線70%でEBITDA黒字、国内線100%でEBIT黒字というイメージ。
ANAの今期予想の前提は、国内線80%、国際線30%。その前提をJALにも当てはめると、EBITDAは黒字となるがEBITでは赤字が残る。年間の償却費が約2000億円なので、目分量で500億円前後の赤字か(ANAはこの前提で280億円の営業利益≒EBIT予想)。
差の要因は何かというとコスト削減への経営判断だと思う。コスト削減については、JALは2020年度に固定費を600億円削減し、今期も同様のレベルを維持する計画。ここらへんは開示の仕方や何を固定費と捉えるかなど色々な違いはあるが、ANAは昨年度の削減規模(同社発表では1720億円)と今期の削減規模(対2019年で3000億円なのでさらに約1300億円)が大きい。
たしかに四半期の推移を見てもANAの方がコスト削減が進んでいる。2020年7-9月期と売上が近しい2021年1-3月期を比べると、下記のようになっている。JALは増収減益、ANAは増収増益。ただANAは売上300億円増加で営業損失200億円改善、稼働率が重要な事業でこの2期間だけでコスト削減がものすごく大きく進んだ感じではない(そしてJALの悪化は気になる)。
コスト削減の水準は、短期的には損失、長期的には競争力に影響する可能性もある(ダイエットしすぎた筋肉量の低下、的な)。回復の時間軸がみえないなかで判断難しいが、両社の経営判断の違いが出ている。
JAL
2020年7-9月期:売上1184億円、営業損失-912億円
2021年1-3月期:売上1247億円、営業損失-1009億円
ANA
2020年7-9月期:売上1702億円、営業損失-1219億円
2021年1-3月期:売上2011億円、営業損失-1024億円
説明資料:https://www.jal.com/ja/investor/library/results_briefing/pdf/fy2020q4_0331ja.pdf
ANA決算:
https://newspicks.com/news/5815327JALに限らずこういった社会インフラを担ってきた企業も難しい局面を迎えている。でもこれって自粛の影響を間接的に受けている企業に対して持続化給付金の手当も遅いし厳しい状況が続きますね。コロナになってもたない会社は企業努力も足りず潰れるべきという話も一部であるが全てが決してそうではない。人の移動がなければインフラ系の会社は生き残れない業界。飛行機の座席飛ばないのにネットで買う人いないですし機内販売限定のものネットで売っても売上なんて知れてる。まだデリバリーで稼げる飲食の方が救いようがある。
ここまでの長期化は大手でも厳しいはずなので業種ごとに変化がこれからあらわになりそうですね。ここはまあ予想範囲といったとこでしょうか。
一応原本がこちら。
https://ssl4.eir-parts.net/doc/9201/tdnet/1961469/00.pdf
私が知りたい来年度計画値はまだのようですね。
ANAが大胆にも国内旅客需要回復と黒字計画を出してきているので、JALがとっても気になります。
確実にANAの計画を目に穴が開くほど読み込んで、今作戦を立てていると思われます。
久々に航空会社の年度計画発表が待ち遠しい!