米IBM、2ナノ半導体を開発 世界で最も小さく強力
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これは、2nmノードのMOSトランジスタがきちんと動作することをIBMが実証したというニュースです。理論上は動作するはずだと思っても実際に動くかどうかは別問題。2次元のナノシート材料をトランジスタ部分に使ってオフ時には、3方向の空乏層がすっかり閉じられることで、リーク電流を抑える技術を実証したのです。ただ、問題はトランジスタ特性が全く発表されていないので、バラツキを含めて静特性、動特性が知りたいところです。もちろん、歩留まりはまだ全く悪いはずですが、1個でも動作すれば開発に成功したと言えますので、性能や消費電力を知りたいですね。
この種の発表は、とりあえずできることを実証した、という段階であり、これで開発が終わった訳ではありません。これから製品化するための開発が始まります。量産できるレベルにまで上げるためにはまた別の努力が必要です。TSMCや、Samsungなどに技術を売るつもりでしょうか?
ちなみに、TSMCの5nmは、既にフル稼働で、5nmプロセスの主要顧客は「アップル、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)、ブロードコム、ビットメイン(訳注:中国の仮想通貨マイニング大手)、ザイリンクスなど。そのうち出荷量が最も大きいのはアップル向け」とのこと。
また、3nmは、「試験生産を2021年に開始し、2022年下半期から量産する計画」とのこと。
https://toyokeizai.net/articles/-/405634
これについて来れるのは、Samsungのみで、QualcommのSnapdragon888(ハイエンドのAndroidスマホに搭載される)は、Samsungの5nmプロセスで生産されるそうです。
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/ubiq/1296197.html理論通りにエネルギー消費量が75%減って携帯のバッテリー持ちが4倍になったらとてつもない進歩ですね。
蓄電性能に関しては、全固体電池等、蓄電池側の進化だけでなく半導体の小型化も大きな影響を持つというのは勉強になりました。