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クオールズではなくブレイナードがステートメントを出していることには、世界の中央銀行関係者は苦笑していることでしょう。

それは別として、金融安定レポート(業界では皆「FSR」と呼んでいます)、もともと英国などいくつかの国々が約20年前から刊行を始めた中、米国は最近になって刊行を開始したものです。このFSRについて当初から言われ続けている一つの制約は、「本当に危ない時に『危ない』とは書けない」という問題です。当局が「危ない」と書いてしまうと、そのこと自体がトリガーになってしまう可能性がありますので。ちなみに香港は、本当に金融システムが危なくなった際、FSRの発行そのものを延期したことがあります。

したがってFSRは、全体評価としては、「いろいろリスクはあるが、総体としては安定を維持している」と書き続けざるを得ない面がありますので、読むべきはむしろ、個別の分析でしょうね。斜め読みをしただけですが、FRB、いくつかの点については、かなりの警戒感を持ってモニターしているなという印象を持ちました。
金融規制ハト派のクォールズ副議長の任期が今年10月13日であり、バイデン政権が金融規制強化に家事切ってますから交代の可能性が高いでしょう。そうなると、市場の緊急規制強化の警戒が強まると思います。
資産価格、企業と家計の債務、金融機関の債務依存度(Leverage in the financial sector)、資金調達リスクのそれぞれについて脆弱性を分析するポートですから警戒すべき点が強調されますが、良いニュースを囃して資産価格は将来のキャッシュフロー等からみてやや高すぎるきらいはあるが企業と家計は政府の支援等でそれなりに余裕があり、銀行も過大なリスクをとっておらず資金調達に不安はない、ヘッジファンドのリスクは高めだがデータで見る限り大きな問題はない、という印象を持ちました。ただ、低所得層に失業が集中して困窮する層があったり低金利や支援がローン返済を支えていたり弱い部分が様々あって、感染状況が悪化したり金利が上昇したりといったことが起きると新興国と欧州に影響が及び米国はじめ世界の経済に与えるリスクは高止まりしている、といったところでしょうか。
https://www.federalreserve.gov/publications/files/financial-stability-report-20210506.pdf
いずれにしても、巨額の財政支出と金融緩和で世界にカネが溢れ、低金利環境下で積極的な投資を進めていますから「金融安定リスク」が増大していることは間違いなさそうに思います。メキシコの累積債務問題に端を発した1980年代初めの危機から2008年のリーマンショックに至るまで何度か金融危機を経験しましたが、事前にいろんな予測はあるにせよ、ムードの転換点がいつ起きるか確実なことは誰にも分からないのが難点です。危機はある日突然やって来る。警戒は常に怠れません (^^;
FRBが金融安定性に関する報告書を発表しています。

FRBの報告書は下記
https://www.federalreserve.gov/publications/financial-stability-report.htm