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欧州、コロナ規制緩和相次ぐ ワクチン接種で見切り発車

 【パリ=三井美奈】欧州各国が、新型コロナウイルス対策で導入した都市封鎖の緩和に動きだした。「第3波」流行が続く中、ワクチンの大量接種で感染収束を見込んで、経済再開に踏み出す構えだ。「ワクチン接種証明書」の実用化も進んでいる。

 イタリアのドラギ首相は4日、観光をめぐる国際会議後の記者会見で、今月後半にはワクチン証明書により、国内で移動が自由化されると発表した。「イタリアへの旅を予約するときですよ」と呼びかけ、観光客誘致に意欲を示した。同国では4月末、首都ローマのあるラツィオ州、商都ミラノのあるロンバルディア州など14州で、飲食店の屋外席の営業が再開された。

 ドイツでは4日、ワクチン接種者に対する移動規制の緩和が閣議決定された。美容院の利用や美術館の入場などの際に現在義務付けている陰性証明の提示を、ワクチン接種者には免除する方針で、連邦議会に承認を求める。メルケル首相は、今夏には希望者全員がワクチンを受けられるようにする方針を示し、「可能な限り規制を抑え、みんなが早く生活を取り戻せるようにしたい」と述べた。

 イタリアでは5日の1日当たりの新規感染者数が約1万人、ドイツでは1万8000人で、共に日本と比較して高水準にある。だが、ワクチン接種者は成人人口の3割前後に達し、第3波がピークを越えたとみて、規制の緩和に乗り出したとみられる。両国では昨年来、商店営業や移動規制が続いている。

 フランスも3日、国内の外出規制を解除した。19日には飲食店の屋外席や映画館、劇場を再開し、6月9日には外国人観光客の受け入れを始める方針だ。

 1日当たり新規感染者は今月も連日2万人を超えているが、ベラン保健相は3日のインタビューで「毎週20~25%減っている」と述べ、段階的な規制緩和に自信を見せた。感染者数は4月初めには、1日4万人を超えていた。

 欧州連合(EU)ではこのほか、ベルギーが今月8日、飲食店の屋外席営業を解禁する予定。オーストリアも19日に、飲食店やホテルの営業規制を緩和する方針を発表した。

 また、EU欧州委員会は3日、夏の観光客誘致を目指し、EUへの渡航規制を6月に緩和するよう提案した。ワクチン接種者、感染状況が深刻でない国からの渡航者の受け入れを再開したい方針で、EU加盟国に承認を求めている。

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