【独占】松山英樹の初コーチが、大切にしていること
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──でも、プロを目指してはいたんですよね?
大学4年生の頃、1年間だけ目指していた時期がありました。ただ、イップスになるくらい悩みました。
特に練習を重ねる中で、課題に対するアプローチの仕方に疑問があった。
さまざまな指導を受け──それこそプロと呼ばれる方からも指導を受けましたし、メディアなどで紹介される方法論を読んで試していたりしたんですが、どうも一貫性を感じなかった。
いま振り返れば、自分の技術が足りなかったんだとわかりますが、当時は最終的に何を信じていいのか、わからなくなってしまいました。
情報があふれる中で、自分の軸になりえる方法論、正解を見つけることができなかった、とでも言うんですかね。
暗中模索をしているときに出逢ったのが、アメリカのTPI(タイトリストパフォーマンス研究所)プログラムでした。
知り合いが受講していて、たまたま教えてもらったんです。自分のゴルフが良くなるのを感じ、これはすごい、解像度を高めてくれる、と感動したのを覚えています。
スイングより、まずは体を測定する
──どのような発見があったのでしょうか?
フィジカル面から課題に取り組む、というアプローチ法です。
それまで僕が知っているゴルフのレッスンというのは、スイングの指導など、技術的な要素をレクチャーしてもらうことばかりだった。
ところがTPIでは、まず自分の体の測定から始まりました。
──フォームではなく、体の測定から。
はい。一般的なレッスンのような、スイングを見せて、ここの形が良くないから、こうしてみよう、というスタートではないんです。
TPIでは、スクリーニングという体の可動域を測るテストをした上で、こういう動きになるよね、という指導をされたんです。
自分の悩みともリンクすることが多くて、これはすごいな、と。
──コーチングで大切だと思うことは何ですか?
あらゆるアドバイスに、ちゃんと「つながり」を持たせてあげることですね。
例えば、「スイングを変える」となった場合。
スイングを変えるにはこういう体が必要で、その体にするにはこういう方法が必要で……といった具合に、技術だけではなく、フィジカルやメンタル、それらすべてをつないだサポートをすること。
スタッツ(プレー成績)もそうですね。ゴルフにはさまざまな「数字」が出ますけど、それがどう関連しているかを伝えていく。“チームアプローチ”
注目のコメント
すごく興味深い記事。技術は勝つための必要条件ですが、必要十分ではないと理解しました。経営の世界ではGoogleがこうしてる、Amazonがこうだという「ベストプラクティス」がよく話題になり、それが本当に自社に合っているのかという根本のところはすっ飛ばして、なにしろ採用しよう、ダメだとすぐあきらめて他にないですかと聞くような企業が少なくないので。
チームワークの大事さはもちろんですが、松山英樹の圧倒的な目線の高さやそれに伴う練習量、ショットのセンスがあって初めてメジャー制覇ができたわけで、松山以外の日本選手にどんな良いチームがついてもメジャー制覇は難しいです。
非ゴルファーの方に松山英樹のすごさが伝わる内容ではなかったのであえて書きました。松山英樹選手の快挙の裏には、ご本人の努力はもちろんですが「チーム」の力がありました。今年新たに加わった目澤コーチの存在は、大きかったのだろうと想像します。その目澤コーチに聞きました。まだ若いコーチ、新しい時代にフィットした「コーチング論」が新鮮です。