鬼滅やエヴァ効果、アイマックスが国内スクリーン数約3倍に拡大へ
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映画館は街の娯楽として発展しましたが、テレビの出現でスクリーンが家庭に持ち込まれ大打撃を受けました。そこでハリウッドなどの一定の高品質な新作コンテンツを独占することと、大スクリーン・高音質ならではの迫力というファンクショナル・バリュー、出かけるというハレ感の持エモーショナル・バリューにポジショニングを移し戦ってきたものです。
この中でコンテンツを独占してきた部分が崩れつつあります。従来は、映画館→DVDなどのパッケージ→地上波、という公開ウィンドウ管理の方程式がありましたが、ここに配信や配信による公開が入ってきたわけです。
例えば漠然と出かけたいと思っている人が、数多ある外出の選択肢の中から映画館に行こう!と思うきっかけの一つは、もちろんまだ新作映画の公開が大きな要因を占めているとは思いますが、それがなくても行こうと思う要因を考える必要が出てきていると言えるでしょう。
時代も複雑化しています。今や商品単体でのバリュープロポジションを押し出して買ってもらう時代ではないですね。お客様の行動に即した体験を提供するために、カスタマー・セントリックを徹底しエコシステムを考慮した、ジャーニーに基づいたマーケティング戦略を実施することが求められるようになってきました。
ですので新作コンテンツ以外の映画館への訪問要因も複合的に考えていく必要があります。迫力を味わいたい、手頃なお値段がいい、お出かけしているという特別感がほしい、2時間程度座ってストーリーを消費したい、と言った顧客の体験に対する要求、MOTとなりうる要素の中から、「迫力」を担保するものとして大画面はアリですよね〜。IMAXの拡充は理解できます。
ただなんでも大画面で観たいわけじゃないし、それだけではもはやダメ。コンセッション含めたお出かけの特別感、サウンド、画質など、お値段など、どの要素でお客様がいらしてくださって良い体験したと思ってくださるかはコンテンツによっても違うはず。IMAXだから入場料高いとかではなく、うまくコンテンツごとにダイナミックプライシングなども取り入れていけるとより精緻な体験設計ができそうな気もします。ネットフリックスなどのSVODもでてきているので、映画館でしか得られない体験価値を追求していくことが映画館の強みになってくると考えています。そういった意味では多少の値段はそれにしても設備の良さが売りになっているアイマックスのやり方は正しいように思えます。