看護師500人の確保依頼 東京五輪パラ期間中に―大会組織委
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「東京五輪・パラリンピック組織委員会が日本看護協会に対し、大会期間中の医療人員として看護師500人の確保を依頼」とのことです。この記事は、「国家総動員」のような印象を与えているかもしませんが、違うように思います。
公益社団法人である日本看護協会は、保健師・助産師・看護師・准看護師の看護職能団体で、政策提言も行っています。「看護師資格を有しながら、結婚、出産、育児などで離職した有資格者のための再就職の支援」も行っているため、「良い職場」の情報を得ようとする有資格者の方がいるようです。この方々に対して、「オリンピック・パラリンピックの短期の仕事を紹介してほしい」との依頼があったということでしょう。
もとより、公益財団法人に過ぎない組織委員会の依頼であり、依頼される看護協会も何ら強制力を持たない(有資格者組織率は約5割)ため、集められるかどうかは待遇次第でしょう。
短期の仕事ですし、宿泊場所の確保などを応募者自身にさせていては、応募を躊躇するかもわかりませんし、少なくとも英語でのコミュニケーション能力が必須で、感染症に対する高度な技能が必須、感染に対するハイリスクな業務、場合によっては濃厚接触者としてその後隔離される可能性などを加味すると、報酬としてはいくらが適切なのでしょうか?
条件に見合う方を500名募集したいということのようですが、ボランティア精神を重んじて「貢献」したいと考える方の貢献先は「ワクチン接種」の方かもわかりません(ひとそれぞれです)。そのなかで、大会組織委員会の看護師募集は「条件次第ながら、相当難航する」と思います。すでにワクチン接種で看護師不足が指摘されています。日本は接種者を医療従事者に限定しているため、どこも人手が欲しいところです。
今、資格を持ちながら、しばらく働いていなかった方など「潜在看護師」に注目が集まっています。パートタイム登録など、専門の人材派遣会社の取り組みを取材しました。冒頭のワクチン予約の混乱は、とても先進国とは思えません。高齢者を経て、一般の人へ接種が広がったとき、さらなる混乱が起きないか。この行列の映像を見る限りは、医療従事者に加え、前後の情報整理の人員確保も重要に思います。
https://youtu.be/QZ6WopovHVY500人の看護師を確保できるなら、病床使用率が100%に張り付いていて、入院できずに自宅で亡くなる人が相次いでいる大阪や兵庫に派遣するのが先では?あるいは、コロナ病棟に入るのが難しい看護師には、人手不足でなかなか進まないワクチン接種に携わってもらうのが先では?東京五輪の「安全・安心」のために国民の生命が脅かされるのはあり得ない。未だに五輪を楽しみにしている人もいるようだが、日本人が自宅でどんどん亡くなっていく状況に目をつむってまで五輪を見たいとは、少しも思わない。