アカデミー賞に「ノマドランド」 監督賞も、マイノリティー躍進
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(追記)作品賞と主演女優賞も『ノマドランド』ですね。フランシス・マクド―マンドは、3回目の主演女優賞ですが、キャサリン・ヘプバーンに次ぐ史上2人目です。
監督の趙婷(クロエ・ジャオ)氏は、中国生まれですが、10代から米国に住んでいて、米国の文化に没頭してきた人です。しかし、『幽遊白書』の蔵馬を熱烈に推しているというあたり、40代の日本人とそんなに遠くない部分もあるでしょう。
受賞作の『ノマドランド』は、あくまで米国の話で、リーマンショック後に没落する中産階級が、車中泊で放浪する話です。米国人にリアリティのある話ですが、詩情のある画面のつくりは、中国や台湾の映画に近いようにも思います。李安(アン・リー)のように、米国で活躍する中国人や台湾人の監督はこれまでにもいますが、その系譜に連なるように見えます。
趙監督は、中国政府に批判的な発言をしていて、中国では作品が放映できなくなっています。助演女優賞を受賞した韓国のユン・ヨジョンさんについても本記事で言及があり、こちらも注目される受賞です。助演女優賞をアジア人が初めて獲得したのは、1957年の「サヨナラ」に出演した日本のナンシー梅木(梅木美代志/ミヨシ・ウメキ)さん。当時は、アジア人として初のアカデミー賞各賞の受賞でもありました。今回は、ユン・ヨジョンさんが半世紀以上の時を経て、アジアからの快挙を達成しました。
「ミナリ」は「あれ、これで終わり?」と感じる人が少なくないかもしれませんが、キリスト教文化や当時の韓国の移民送り出し国としての背景、米国における移民社会という視点からみていくと深い視点が織り込まれています。とりわけ、キリスト教文化の視点。「パラサイト」はある意味で分かりやすい話でしたので、今年は対照的な韓国映画がノミネートされていることも印象的です。
ユン・ヨジョンさんのようなアジアの超ベテラン俳優が最高峰の映画賞の一つを獲得したことも意義深い。彼女は1947年生まれで出身は現在の北朝鮮領の開城市。過去のアカデミー助演女優賞を獲得した最年長受賞者は77歳ですから、ほぼそれに近い年齢。人生、いくつになっても花を咲かせられるという
韓国映画とドラマシーンにおいて、数々の名作を彩ってきた名俳優です。出演作はwikipediaにあります。数が多く全て観きれているわけではありませんが、見た範囲では印象的なのは、「ハハハ」と「バッカスレディ」、「女優たち」でしょうか。主演を務めた「バッカスレディ」は衝撃作の一つだと思います。「女優たち」も他の出演者も含め、心温まる作品でした。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A6%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%A8%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%B3
英語版はより詳しく経歴や出演作等の情報が書かれています。
https://en.wikipedia.org/wiki/Youn_Yuh-jung
ユン・ヨジョンさんの経歴については、早速下記のような記事が出ています。
https://sg.asiatatler.com/society/minari-youn-yuh-jung-south-korea-first-oscar-nominated-actress素晴らしい、快挙ですね!
ただ、個人的にはNomadlandよりMankやAnother Roundの方が “Oscar Worthy”と感じましたが。
より沢山の映画において、ディレクターに色々な人種やジェンダーアイデンティティの人が起用されるようになっていく必要がありますが、制作会社なども変わっていっていくことを期待します!