緊急事態宣言初日 東京上野公園は人混み避けた家族連れの姿

東京など4都府県に3回目の緊急事態宣言が出た初日の25日、東京の上野公園では人混みを避けて、休日を過ごす家族連れの姿などが見られました。

東京 台東区の上野公園では、25日から始まった3回目の緊急事態宣言を受け、公園内には入れるものの、東京都美術館や国立科学博物館など園内にある施設は、すべて休館となりました。

園内では、午前中から噴水のまわりや木陰などに腰をおろしてのんびりする人や、散歩する家族連れなど、人混みを避けて休日を過ごす人たちの姿が見られました。

子どもと一緒に公園を訪れていた39歳の男性は、「家が近くなのでよく来ますが、人通りはいつもと変わらないと思います。休日はできるだけ人と接触しないように心がけていて、公園ぐらいしか外出しません。3回目の緊急事態宣言で正直しんどい気持ちもありますが、宣言中の過ごし方も分かってきているので、対策をしっかりしながら過ごしていきたい」と話していました。

また、家族と一緒に訪れていた49歳の男性は「4回目の緊急事態宣言がないように過ごしていきたい」と話していました。

東京 渋谷では

一方、緊急事態宣言で大型の商業施設が休業を要請されたことを受けて、東京 渋谷では、「SHIBUYA109」が25日から当面、休業しています。

友人と渋谷を訪れていた女性は、「人はいつもより若干少ない気がします。2人でランチをしようと思っていたのですが、お店がやっているか心配です」と話していました。

多摩川の河川敷で過ごす若者も

東京 世田谷区の多摩川沿いの河川敷では、宣言で施設が閉鎖されたことで予定を変えて、ピクニックをして過ごす人などの姿が見られました。

世田谷区の二子玉川駅近くの多摩川沿いの河川敷では、昼過ぎ、穏やかな天気の下、ピクニックをする親子連れや若い世代の姿が見られました。

子連れで訪れた川崎市に住む26歳の女性は「緊急事態宣言で多くの施設が閉まり、子連れで出かける場所が公園や河川敷くらいしかない。でも公園も人が多いし、ゴールデンウィーク明けまでどう過ごすか悩みます」と話していました。

同居する友人と訪れた、東京 狛江市に住むイタリア出身の25歳の女性は「自粛生活には疲れたが、無断外出すると罰金をとられるイタリアよりも日本の方が楽なので、街にはなるべく出ずに我慢をしたい」と話していました。

また、友人と訪れた東京 品川区に住む25歳の女性は、「友人と一緒にテーマパークに出かけるつもりだったが、今回の宣言で休園となり、急きょ、河川敷でのピクニックに予定を変えました。毎回、緊急事態宣言で生活が振りまわされているが、順応するしかない」と話していました。

演芸場「寄席は社会生活の維持に必要なもの」

都内の演芸場は感染対策を行ったうえで営業を続けています。

東京都は、演芸場などに対して無観客での開催を要請していますが、東京寄席組合に入っている都内の4か所の演芸場は「寄席は社会生活の維持に必要なもの」として、観客を入れての営業を続けることを決めています。

このうち、豊島区の池袋演芸場では、25日も午後1時から通常通りの営業をしていて、これまでどおり、検温や消毒、マスクの着用のほか、会場のドアを開けっぱなしにしての換気、ソフトドリンク以外の飲食は、禁止にするなどの対策を行っています。

この演芸場では、今月21日から新しく真打ちに昇進した落語家のお披露目の興業が行われていて、25日は客席105席のうち70席余りが埋まっているということです。

訪れた60代の女性は、「前売り券を買っていたので、開催されてよかったです。他の落語会が中止になっているので、貴重な機会です」と話していました。

また、落語ファンの62歳の男性は「どこの演芸場も感染症対策をしっかりやっているので、安心できます。我慢ばかりのこういう時こそ、笑いが必要だと思います」と話していました。

池袋演芸場の支配人の河村謙さんは「売り上げは、通常の2割程度に落ち込んでいるが、今は真打ちのお披露目興業が行われる1年でも特別な時期で、お客さんも7割程度まで回復している。感染対策でできることを淡々とやっていきたい」と話してしています。