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トップ画像の「ディープテック」と併せて、記事でも取材されているWiL久保田さんの『SPAC上場は、宇宙やバイオなどディープテックが多い傾向。通常のIPOだと厳しく規制されるforward lookingな事象も、SPACなら自由に伝えられるから、と推察。CFは出にくいが、世界観を語ることで時価総額を作れる』というTweetが、SPAC関連では印象に残っている。本記事で久保田さんが述べられている民主化の側面もあれば、それは民主化された結果責任を発行体も投資家も負うこと。
https://twitter.com/kubotamas/status/1367641901113827328?s=20
そのなかで下記はCrunchbaseの「なんでSPACの買収対象はEVが多いの」という記事で、上記の文脈だと思う。
https://newspicks.com/news/5754469
記事にあるように技術のお墨付きとして、SPAC側に専門家がいることも多い。また大企業が投資していることもあるが、投資時点ではSPAC上場するか決まっていない中で、信頼できまっせと利用されていると思うケースもある。トラックレコードが良い方が経営陣にいる一方で、上場資料を見ると微妙で、残念に思うことも多い。
少なくともこれまではSPAC側は上場するとかなりのリターンが出る構造で、一方でそこから1年保有するとマイナスリターンというのが下記記事にあった(ちょっと訳に自信はないが…下記でのコメントを見ていただきたい)。それが焼き畑農法的なインセンティブを増強している。
https://newspicks.com/news/5751917
<追記>Mizuuchiさんのコメントが考えさせられる(有難うございます!)。Grabのように実態があり投資家が3年コミットする場合もあれば、既に詐欺問題になっている企業もある。一緒くたに議論はできないが、売上がなかったりほぼゼロでも未来はバラ色と主張する企業とバイオベンチャーの違いは、パイプラインだと思う。
バイオベンチャーは経済価値転換はまだでも、大手とのパイプライン契約など成功すれば転換する契約が存在する場合が多いと思い、それも見て投資家が判断する。<追記終>
- 「SPACは悪である」という先入観あるが、米国では業界専門家やプロ経営者など成長を加速できるSPACも多い
- スキームには良き点も多く、ロングオンリーの優良投資家がPIPEに参加してきており、発行体主導で株主層を構築できる
- 課題は将来業績見通しの開示が許されており、楽観的な数字が示されがちなこと。EV企業4社のSPACはどれも売上ゼロだが、巨大な市場規模と未来の成長期待で、株価がついた。ここは規制の手当てがされると思う
- 日本導入の成否はこのプロ人材層の厚みが一つのポイント。むしろPEファンドのバイアウトの代替として、高成長スタートアップではなく事業カーブアウトなどにフィットするかもしれない
- 日本でスタートアップの場合は、ただでさえゆるい上場基準を迂回したとして悪いイメージがつくリスクあり。今やZoomで世界中の投資家と会えるため、「日本にリスクキャピタルが少ない」は通用しない時代に
- 米国ではSPACの質もスキームも急速に進化しており、今後も手段としては残り続ける(と思う)スタートアップにとっても選択肢が多い方が良い
最近では各国市場で急ピッチの導入検討が進んでおり、それに遅れて日本でも検討がされはじめているようです。
改めて、SPAC上場のフロー、既に顕在化している課題などについてまとめました。
T.Rowe Priceシガネールさん、WiL久保田さん、Plug and Play小林さん、グロース・キャピタル嶺井さんにもコメントをいただきました。
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個人的に思うことは以下
マザーズ市場ではエクイティファイナンスでの希薄化や赤字ということが嫌われることで、成長投資をすることが難しく、目先の黒字化が求められています。
また、M&Aをした場合の減損なども嫌われる上、一回のM&Aの失敗でも大きく叩かれます。現時点で海外企業の上場を取り込めていない上、そのような状況を解決する以前にSPAC上場の是非について「答えを出そうとする」ことは少しズレている印象です。
成長戦略会議の主要テーマがSPACになっていますが、ぜひ上場後の成長に何が必要かということにフォーカスを当てて欲しい。
FYI. 今週開催された成長戦略会議の資料です。
スタートアップの育成の在り方に関するワーキンググループ(第2回)
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/seicho/wgkaisai/startup_dai2/index.html