日本、温暖化ガス13年度比46%減 気候変動サミット開幕
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これはね、一種の数字のトリックで、2013年比というところがミソです。バイデン大統領のアメリカが2005年比で目標を掲げているのに対してなぜ日本は2013年比かというと、3.11で原発が停まって老朽火力まで動員して石炭火力でどんどん発電したから、CO2を大量に排出したこの年を基準年にするとメリハリが出やすい。
それでも国際社会に、これだけやるんだと見せ方でミエを切ることはよいことではあります。
問題は、この次に発表しなければならない2030年の電源構成比で再生エネルギー比率をどれだけ高く掲げることができるかです。現状(2019年実績)では火力発電が70%まで上昇している。2018年に掲げた2030年の電源構成比では再生エネルギー比率は24%にすぎず、ここで2030年の再エネ比率目標を50%まで持っていかないと、2050年カーボンニュートラルは達成不可能です。
日本のメディアも国内ニュースばかり追っているせいで、日本人は気候変動に対する世界の趨勢、本気度をあまりにも知らなすぎます。46%ですか…、この微妙に刻んだところにいろいろな思惑が想像できますね。
当初は35%ぐらいでお茶を濁すつもりだったのでしょうが、バイデンにはかなり強く50%削減をと要求されてタジタジに。
しかし、国内の情勢や反対勢力を考えると50%はとても無理(それをやったら自分の首が飛ぶ)。
今や40%では国際世論にやられるのは目に見えており、それもいやだ。真ん中を取れば45%だけれど、そこに1%加えてやる気を見せた。
まぁ、そんなところでしょうか。
それでも、Kダンレンとかの重厚長大企業幹部からは締め上げられるのは間違いないし、目標としてはかなりチャレンジングだし… なかなか苦しい立場でしょうね。
すべてはこれまできちんとした政策を取って来なかったツケなのですから、しっかり年貢を納めていただきましょう。
ちなみに環境シンクタンクのClimate Action Trackerは、1.5℃目標と整合性を持たせるためには、日本は2013年比で62%削減する必要があるとしています。つまり、46%はおろか、50%でもまだ足りないのです。
https://climateactiontracker.org/publications/1o5C-consistent-benchmarks-for-enhancing-Japans-2030-climate-target/
そして、くれぐれも原発再稼働など時代を逆行することがないよう、しっかり監視が必要です。フクイチの廃炉の目処すら立たないのに、これ以上原発を増やすなど、世界と将来世代と地球に対する背信行為であり、到底容認できません。グラフを書くとよく分かりますが、2013年から2050年のゼロに向けて直線的にCO2を削減すると…2030年は37カ年計画の17年目なので、17/37=46%。色んな説明ロジックはあるのかも知れませんが、積み上げと思いきや、実際には直線引っ張って決めた感じが拭えないですね。この計算では50%削減となるのは2032年度です。
※2013年度の二酸化炭素換算値(MtCO2e)は1,407でした。これを2050年までの37年で0にするために直線を引くと…1407÷37=38よって1年あたり38 MtCO2eのCO2を削減し続ければ達成可能、じゃあ2030年はというと1407-38×(2030ー2013)=761 MtCO2eとなります。この時のCO2削減比率を計算すると1407-761/1407=46%となります。