【理解】空港の経営は今、どうなっているのか
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空港はそもそもはインフラであり、特定の地域で利益が上がるからと建設される性格のものではありません。いわゆる商業施設との大きな違いになるかと思います。インフラとしての機能を果たしつつ、その中で得られる収益を最大化するという工夫が求められているということになります。ただ安くして利用者を増やせば良いわけでもありませんし、かといって過剰な設備投資などにより赤字を垂れ流すのも考えものです。
もっと視野を広げれば、結局は交通インフラのデザインをどう描くかというところに帰着するので、いわゆる政治家が国家100年の計、として設計するべきものとなります。現実には技術革新や最近は二酸化炭素に代表される環境問題もあり、100年先を見通して最適解を得ることは難しいのですが、10〜20年ならなんとか方向性だけでも読むことはできますから、適宜軌道修正をしながらデザインしていくしかありません。
日本に限ってしまえば、今後20年程度は都市部への人口集中はますます進みますし、トータルでの人口減も進みます。リニアが開通して東京ー大阪間の定期路線は無くなるかもしれません。そうなると羽田の発着枠はその分空きが出ることになります。また僻地の空港では医療に必要とはいえジェット旅客機が就航できるような規模を維持できなくなる可能性もあります。一方で、ドローンによるモノやヒトの輸送についてはジェット旅客機よりは安価なので、これを使うことはできるかもしれません。ジェット旅客機が就航する空港はダメでも、ドローンをはじめとする小さな機体の離着陸場としての整備には未来があるかもしれません。コロナは結果的に人類の進化を加速させたと思っていますが、航空会社や空港においてもこうしたことを考えていく必要があると言えるでしょう。
注目のコメント
空港に限らず、交通含めたインフラ産業やその経営について、共感する点が多い。
これらの産業・事業は、民間で行われることもあれば、国や地方自治体が行うことも少なくない。それは、インフラが整うことで、国・都市の魅力・競争力があがることにつながるから。だから「インフラ投資」。
そこには自助努力もあれば、外的要因もある。だからこそ、経営などの評価では、同じような条件にあるところとの比較が重要。人口や周辺に大規模都市があったり、そことの競争があるのか、施策によってどういう変化が起こったのか。
一方で、経営や事業経済性について「単独で捉えなくても良い」というのを印籠に、経営として体をなさず、また地元利権・政治に利用されることも少なくないのが過去の現実。それは路線の維持とかもそう。だからこそ、比較条件をできるかぎり適切に選択して、また変化がどっちに向いているのか、そういう議論や透明性が重要だと思う。慶応義塾大学の加藤一誠先生による,空港経営に関する解説.経営そのものの仕組みのほか,乗客が多いことがすべてではないこと,民営化もすべての解決策ではなく地域ごとの対応策があること,さらには将来を見据えた対応が顧客の少ない今からでも必要であること,など重要な論点が簡潔ながら示されています.
個人的には佐賀空港の成功事例は,地方のコンテナ港湾の運営でも見習える考え方だよな,というのを強く感じました.現在、空港は国家のインフラです。しかし、自動運転車や空飛ぶ車が登場すると、地方空港は不要になるかもしれません。民営化された空港は、生き残りをかけて、しっかりとしたビジョンをもち、努力することを忘れてはなりません。