ブルネロ・クチネリの成功が示唆する「人文学」の力
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最近はこればかり話題にしておりますが、それだけブルネロ・クチネリのビジネスの成功は、これからの資本主義の一つのあるべき方向として議論のしがいがあります。
人文学的ビジネス。1990年代に人文学がないがしろにされ始めてから30年、効率・実用史上主義がもたらしたものが限界に来ている今、再び社会に希望をもたらす光として、人文学が息を吹き返している兆しを感じます。これは深く考えさせられました。素晴らしい記事だと思います。
簡単に要約すると、効率・実用・グローバルを旗印に進んできたビジネス界は、気付けば格差拡大や環境問題を引き起こすなど、全体でみると幸福感が高いとは言えない社会を作り出してしまった。それを打破するために「人文学」が役割を果たす時代がやってきた、というお話。
ここからは自分の感想ですが、これまでのビジネスの在り方というのは、「利益創造」が目的と化し、それを効率的効果的に生み出すための「再現性のあるハウツー」を求めるが故の科学的アプローチという要素が強くなりすぎてしまった。それがうまくできる人が評価され高い報酬を受け取っていたのがこれまでの時代的パラダイム。
でも本質は「自信の信念や哲学の表現」が目的であって、それを達成するために「自分自身のオリジンと感情に向かい合って試行錯誤する」ことにある。これまでのビジネス界でのパラダイムとは大きく異なる世界観が目の前に迫っている。エリートがアートを学ぶとか、リーダーに哲学が求められるとか、その文脈で考えると非常にフィットする。
ラグジュアリービジネスというのは、その変化後のパラダイムに沿いながらも、現存の資本主義のルールの中でビジネスを進めるという一つの考え方になるのかもしれませんね。ラグジュアリーマネジメントという領域を初めて知ったが、間違いなく"領域"としてある事に納得する。
ビジネス面での学びだけでなく、リベラルアーツなど教養という分野や、文化、歴史などの理解が"ラグジュアリー"に繋がる。
職人のコンピテンシーも通ずるのかもしれない。
『ラグジュアリー領域は、ゼロから開拓を夢見る市場ではなく、パンデミック以前では、最終個人消費財やリゾートなどの体験型を合計するとおよそ140兆円の世界市場規模です。「そんな実態のない市場にエネルギーを使えるか?」という捨て台詞がここでは通用しません。』